家にオペラがやって来る

写真/Unsplash

もちろん、いつかは生の公演にお出掛けになることをお勧めしたいのですが、現在の難しい状況では、自宅での鑑賞がオペラの主要な楽しみ方になっています。新型コロナウイルスの感染が広まって以降、欧州などでは一度公演が再開したものの、世界の主要歌劇場はロックダウンにより再び閉鎖中で、多くの歌劇場が無料のネット配信を行っています。現在は主に以下のような機会があります。普段は高価なチケットを購入して劇場に赴かないと観られない公演が、自宅で、それも無料で楽しむことができ、オペラに親しみ始めるには絶好の機会です。

 

どんな演奏にも、多かれ少なかれ奏者の生き様が反映されますが、歌は奏者自身の声によって演奏されるので、それがよりあからさまになるように感じます。譜面を研究しつくしてきっちり歌う歌手は、ソーシャルメディアでも几帳面な性格が垣間見えますし、歌が情熱的な歌手は私生活にもそんなところがあります。

コロナ禍で公演がままならない中、多くのオペラ歌手や関係者たちは無力感を覚え、それでもオペラ芸術を絶やしてはならぬと、演出の方法やオンライン配信など、工夫を凝らして踏み留まっています。知れば知るほど奥深いが、ちょっとした知識があれば非日常を楽しめるオペラ。このままこの芸術の灯が小さくなるのはもったいない。私がオペラからもらった感動が伝わって、少しでもオペラを好きになって応援してくださる方が増え、関心があったけれども、あと一歩を踏み出せなかった方のきっかけとなればうれしいです。

ウィーン国立歌劇場
日本でも人気のあるウィーンフィルの母体である同歌劇場は、当座2021年1月6日までの劇場の閉鎖期間中、日替わりで過去の公演(ときどきバレエも)の無料ネット配信をしています。リンク先のページから登録と視聴が可能です。
何といっても、ウィーンの配信には日本語字幕があること、オーケストラの美しい音色が魅力です。

●ニューヨーク メトロポリタン歌劇場(MET)
Nightly Met Opera Streams

METは2021年9月まで公演を行わないことを決定したので、日替わりで行っている過去の公演のネット配信を劇場再開まで継続します。パソコンで視聴する場合には英語字幕がありますが、スマホでは字幕は見られません。往年の名歌手から現代の人気歌手まで見られます。
各日のオペラのタイトルをクリックすると、動画が見られます。(時差にご留意)

METライブビューイング
METの公演は、毎年10作程度、日本の映画館でも日本語字幕入りで公開されています。幕間のインタビューも興味深いです。しばらく公演がないので、こちらも休止ですが、アンコール上映もあります。

WOWOWにご加入の方は、映画館で公開された公演をテレビで見ることもできます。

NHK BSプレミアムシアター
この番組でも、時折オペラ公演が放映されます。近日ですと、1/17など。NHKオンデマンドでも見られます。

ゆけったさん

クラシック音楽♪、特にオペラが好きで、生活の一部になっています。
小学生男子の母で、国際協力の仕事をしています。自分をさらけ出すソーシャルメディアは苦手です。
仕事や雑多な用事と、読むこと、書くこととの両立に悩んでいます。編集室での活動もボチボチとやっていきたいと思っています。


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