40歳という節目で、女性は自らの生き方を振り返るものではないでしょうか。

「こんなはずじゃなかった」と後悔しても過去は変えられず、心も身体も若い頃には戻れない。

これは立場の異なる二人の女性が、それぞれの人生を見つめ直す物語。

これまでの話
アラフォー独身の進藤早希は、ついにモラハラ夫から逃げ出した親友・美穂の元へと駆けつけ、力になると約束。一方、自分自身も思いがけず「ママ雑誌」に異動を命じられ、さらには年下カメラマン北山隼人から転職の誘いまで受けてキャリアに迷っていた。
 


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40歳女に訪れたキャリアの転機
 

モラハラ夫の狂気...離婚したくない男が、深夜に起こした予想外の行動スライダー1_1
モラハラ夫の狂気...離婚したくない男が、深夜に起こした予想外の行動スライダー1_2
モラハラ夫の狂気...離婚したくない男が、深夜に起こした予想外の行動スライダー1_3

ガランとしたオフィスの廊下を歩きながら、進藤早希はぼんやりと宙を見上げた。

『まだ時間はあるので、ゆっくり考えてみてください』

そう言って微笑んだ、キラキラ輝くまっすぐな瞳……思い出すだけでドキドキしてしまう。

先週、早希はフリーカメラマンの北山隼人から突拍子もない提案を受けた。彼の知り合いが指揮をとって立ち上げるWEBメディアでプロデューサーをやってみないかというのだ。

隼人が口にした人物は名の知れた大御所だった。影響力あるメンバーが続々集められており、隼人もカメラマンとして手伝うことが決まっているらしい。

そして何よりも彼が心から楽しそうに語る姿に惹きつけられた。

『メディアの名前はグレディ。グレースとレディからとった造語です。優美でしなやかな大人の女性が、自分らしい人生を楽しむための情報サイト。進藤さんにぴったりだ』

話を聞きながら、胸がドキドキ高鳴った。やってみたい!と心の奥がうずいた。けれど結局、早希は最後まで隼人に「やりたい」と言い出せなかった。

――せっかく大企業にいるんだし。40歳で、いまさら転職なんてね……。

どうしてもその考えが頭から消えず、躊躇ってしまったのだ。
 

【写真】アラフォー女性編集者の日常
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