加谷まず積み立てた拠出額が課税所得から差し引かれ、所得税と住民税の負担が軽くなります。運用期間中の利息や運用益は非課税で再投資されます。そして、年金を受け取るときも節税優遇措置を受けられます。こうした節税メリットのあるiDeCoを利用すれば、将来の年金受給額を実質的に増やせるというわけです。

【iDeCoはやるべき?】“老後貧乏”を回避する人生100年時代のマネープランとは_img3
 

西園寺年金って、国が用意している年金しかないって思ってました。

加谷「老後の2000万円問題」など、いたずらにメディアの情報に踊らされる必要はまったくありませんが、これからの時代、老後資金は自己責任で考えないといけないのは事実です。「国は皆さんの老後の面倒は見られません。節税メリットの大きな制度を用意してあげますから、ご自分でどうぞ」という意味で設けられたのがiDeCoです。

 

日ごろは国民から税金を取ることしか考えていない現行の税制においては、ありえないほどの水準まで優遇されているのが確定拠出年金という制度です。そうまでして、国民一人ひとりに投資に励んでほしいということは、裏を返せば、いかに年金が危ないのかを示しているわけです。西園寺さんも利用しない手はないですよ。

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加谷 珪一さん

1969年宮城県仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済評論家として金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。著書に「感じる経済学」(SBクリエイティブ)、「ポスト新産業革命」(CCCメディアハウス)「お金持ちはなぜ、「教養」を必死に学ぶのか」(朝日新聞出版)、「お金持ちの教科書」(CCCメディアハウス)など。

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『お金で絶対に苦労しない方法を教えてください!』
著者:加谷珪一 プレジデント社 1500円(税別)

誰でも一財産築けて、100歳になってもお金が残るマネープランとは? 将来のお金に不安を抱える独身女性に、経済評論家であり、長年にわたる貯蓄と投資で億単位の資産を築いた著者が、「お金と仲良く」する方法を講義方式で教えます。私たちの暮らしに即したお金の貯め方・使い方はもちろん、損をしない住まい選びに、投資によるお金の増やし方まで、人生にかかわるお金の知識について幅広く網羅。読めば“将来のお金のために今やるべきこと”が明確になる一冊です!


構成/金澤英恵

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