終末期の医療は「治療」ではなく「ケア」。だから自宅でも問題なし

「最期は自宅で死にたい」。看取りのプロが教える、幸せな在宅死の迎え方_img1
 

終末期になればなるほど、病院と在宅でできる医療に差がなくなります。病院で最期を迎えるほうが安心という方もいますから、もちろん判断はご本人しだいですが、治らないものを治そうと頑張って病院にいつづける理由もありません。患者さんが自宅での最期を希望しているなら、ご本人の意思があるうちに退院して、自宅でケアをする方法があるということを、ぜひ知っていただきたいと思います。

 

終末期になったら、医療の目的は「治療」から「ケア」に変わります。

大切になるのは、いかにつらくなく心地よく過ごすかです。医療用麻薬を使って、患者さんの痛み苦しみをとっていくのも重要なケアになるわけですが、まだまだ誤解があります。つらい症状は麻薬を使って適切に緩和するほうが、結果的に長生きできるのですが、「怖い、危ない」という先入観のために拒否する方もいらっしゃいます。こうした誤解を解いて正しい医療の情報を得ることも、幸せな看取りに欠かせない大切な要素です。