治療をすれば再発はしない?
→手術後、何も治療を行わない場合は約30%、治療を行った場合でも約10%で再発すると言われています。


柳田:残念ながら、子宮内膜症は再発する病気です。手術をしても、その後何も治療を行わなかった場合は、約3割が再発すると言われています。また、術後に薬剤による治療を行なった場合でも、約1割は再発すると言われていますね。

宮島:手術してしまえば安心、とはいかないのが子宮内膜症なんですね。私もそうでしたが、再発する病気だということを知っている方は、意外と少ないんじゃないかなと思います。どういったメカニズムで再発するんでしょうか?

 

柳田:時間とともに生理が再開すると、同じようなところに血液が溜まってしまう人もいるんです。クセになりやすい病気ということですね。だから、術後も予防のために薬剤による治療を継続して行うことが通常です。第5回目でもお伝えしましたが、平均的な治療期間は5年ほどになりますね。

宮島:それにしても、術後何もしないと30%の割合で再発するというのは、結構高い数字ですよね。手術をした一人の患者としてお聞きしたいのですが、術後に治療を行わないことで考えられるリスクにはどんなことがあるのでしょうか。

柳田:宮島さんも罹患した卵巣にできる子宮内膜症で言うと、再発して手術の回数が増えれば、その分健康な卵巣の組織も少しずつ削り取ることになり、卵巣機能が失われていく可能性があります。つまり“妊娠しにくくなってしまう”ということ。ですから、健康な卵巣機能をなるべく維持するためにも、すぐに妊娠の希望がない場合には再発予防の治療をすることをおすすめしています。