周りに「遊んでいる」と思われそうで婦人科に行けません。
→そんな色眼鏡こそ時代遅れ。堂々と受診しましょう。
宮島:先生、この問題は結構根深いものがあると思うんです。SNSで子宮内膜症を公表した時、たくさんの女性からコメントをいただきました。その中には、特に若い人が婦人科疾患に罹ると、周囲からは「セックスが原因で性病になった」と色眼鏡で見られる。だから婦人科にも行きづらい、という声が少なくなかったんです。親や親戚から「あんた遊んでんじゃないでしょうね?」なんて言われたらとても傷つきますが、現実にはそう言う人たちが一定数いるんですよね。
私自身、子宮内膜症についてネットで検索した時に、検索予測で「子宮内膜症」に続いて「ヤリすぎ」という言葉が出てきたのが忘れられなくて。この誤解こそ、女性たちが二の足を踏む原因なんだと痛感したんです。モヤモヤするこの状況をなんとか変えたいなって。
柳田:世の中には誤った情報も多いですからね。確かにセックスで感染する疾患もありますが、それはごくごく一部です。セックスが原因で起こる病気よりも、女性特有の臓器に伴う病気のほうがはるかに多いですから。私たち医師が正確な情報を届けることで、婦人科に対するネガティブな印象も少しずつ減らしていかなければと考えさせられますね。
もちろん、セックスによる疾患だって恥ずべきことではありません。特定のパートナーとのみであっても、性交渉すれば誰だって感染するリスクはあるんですから。何を置いても重要なのは、異変を感じたらすぐに病院を受診するというアクションなんです。
宮島:そうですね。私が子宮内膜症について発信し続けているのも、セックスが関与する・しないにかかわらず、不安を放置してしまっている女性をひとりでも減らしたいと思っているからです。世間の目が気になって婦人科に行けないという空気は、私の世代で終わりにしたい。そのためには女性が変わるというよりむしろ、“世間の目”自体を変えていく必要があると感じています。
柳田聡 Satoshi Yanagida
東京国際大堀病院 婦人科 副部長。医学博士。東京慈恵会医科大学 産婦人科医、講師を経て現職へ。婦人科腫瘍・女性医学が専門。根拠と優しさをモットーに、女性のライフステージに合った診療を心がけ、患者一人ひとりと向き合う。
宮島咲良 Sakura Miyajima
1983年11月9日生まれ。東京都出身。ワタナベエンターテインメント所属。大学卒業後の2007年、アナウンサーとして九州朝日放送に入社。2010年に同社を退社し、フリーアナウンサーに転身。また、アナウンサーの枠を超えて幅広く活躍。2011年に『ザ・デッド・エンド』で舞台に初出演。2014年には、テレビアニメ「くつだる。」のテーマ曲で歌手デビューを果たす。戦隊もののファンで、スーパー戦隊シリーズ「手裏剣戦隊ニンニンジャー」の挿入歌なども担当した。現在は、BS11「BSイレブン競馬中継」、ニッポン放送「天野ひろゆき ルート930」、MBSラジオ「増田貴久・中丸雄一のますまるラジオ」など幅広く出演中。
Twitter:宮島咲良=ぼっち戦隊ミヤジマン(@sakura1109m)
Instagram(sakura_miyajiman)
撮影/塚田亮平
取材・文/金澤英恵
構成/山崎恵
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