書くかもしれないことを全部書き出してみる


「要素シート」に決めたテーマ、与えられたお題に対して書くかもしれないことを全部書き出してみます。とりあえず順不同で、関係ありそうなことは全部書き出しておくくらいの気持ちでよいです。

原稿書きにかかる時間をぐんと短縮する!書く前の準備のコツ_img3
 

続いて、調べものを書き出します。正式名称、参考文献・資料、文献からの引用、参考になりそうなサイトのURLなどのデータ要素をひたすらコピペしていきます。

私が要素シートに書き出しておくと便利だな思っているデータ要素は下記の4つです。

 

①正式名称(氏名、登場人物の名前、商品名など)
②言葉の定義(「SDGsとは?」など取り上げる言葉の正確な定義)
③公式サイトのURL(まとめて紹介しているサイトではなく、オリジナルサイトを)
④クレジット、キャプション(お店、商品の詳細など)

例えば、新作のファンデーションを紹介する記事を書きたいとします。コスメのブランド名や商品名はとても長いものが多いですね。商品クレジットと呼ばれる商品名、価格、発売日、容量、医薬部外品・SPF表記、色数などを正確に書き出し、体裁を統一しておきます。ブランドの公式サイトのURLを貼っておくと、あとで確認する際にも使えるのでおすすめです。

例)
ディオールスキン フォーエヴァー グロウ クッション (SPF50・PA+++) 全3色 ¥8250(2021年7月30日発売)/パルファン・クリスチャン・ディオール

タンフリュイドエクラ ナチュレル(SPF25・PA++) 全8色 ¥14300(編集部調べ・2021年3月21日発売)/クレ・ド・ポー ボーテ

クレジット表記の仕方は会社によっても、媒体によってもルールが違います。ブランド名が先か後か、「¥」か「円」かなどです。この要素シートで「表記の体裁を統一する」という作業を終わらせておきます。

映画やドラマなど作品紹介の記事の場合は、作品名、登場人物の名前と演じる役者さんの名前なども書き出しておくと便利です。名前の打ち間違いや漢字変換ミスを防げます。原作と映像化のタイトルが違うなんてこともよくありますね。

例)
・ドラマ『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』(原作コミック『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜』泰三子)
・藤聖子(戸田恵梨香)
・川合麻依(永野芽郁)
・源誠二(三浦翔平)
・山田武志(山田裕貴)
……

みたいな感じです。

これらを要素シートに「正確に書き出す」作業をやっておき、原稿を仕上げる際にはここからコピーして貼り付けるだけです。

この書き出し作業が終わったら、どの要素をどんな順番で書いていくか「構成を決める」ステップに移ります。構成の考え方についてはまたあらためて詳しく解説しますね。

〔ミモレ編集室〕の講座では、実際のミモレの記事を題材に「要素シート」や「構成シート」を公開して解説しています。編集室メンバーになると過去の講座や記事もご覧いただけます。もっと具体的に知りたい方はぜひチェックしてみてください。

まずは「書きながら調べる」「体裁を整えながら書く」のをやめて、「作業フェーズ」を書く前に終わらせるというやり方を試してみてください。


リモートワーク時代の細切れ執筆に


「作業」と「思考」を分けると、まとまった執筆時間をとれないときに、ちょびちょび書き進められるというメリットもあります。

おそらく、職業ライターの方も、お仕事の一環として執筆業務がある方も、趣味的に発信をされている方も、ほとんどの方は何かの合間に執筆されていますよね。「丸2日間ホテルに缶詰め」なんて昔の大作家さんのような恵まれた執筆環境を与えられることはごく稀で……。リモートワークの進んだ昨今では、PCに向かっている最中に家族が帰ってきたり、買い物に出なくてはならなかったり、作業が中断されるだけでなく、仕事モードとプライベートモードの頭の切り替えも細切れになりがちです。

私も1時間の執筆時間の確保もなかなか難しく。会議と会議の間など、ちょっとした隙間時間に「作業フェーズ」をちょこちょこ進めておき、20〜30分のまとまった時間を話の筋道や表現を考える「思考フェーズ」にあてるようにしています。

原稿書きにかかる時間をぐんと短縮する!書く前の準備のコツ_img4
 

自分なりの“段取り”が確立されると、書き始める際の億劫さや書き上げられるだろうかという不安からも解放されます。いろんなやり方を試してみてくださいね。

次回は、構成を考える際のポイントについて解説します。


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イラスト/shutterstock、川端里恵

 

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