エストロゲンが減ると起こること


エストロゲンの働きをさらに詳しくお話すると、肌や髪のうるおいやツヤを保つ働きや、骨を丈夫に保つ、血管の弾力性を保つ、コレステロール値を下げる、筋肉量をキープする、自律神経をよい状態に保つなど、多くのありがたい働きがあります。女性は閉経するまで、このエストロゲンのおかげで、美と健康がキープできるわけです。

 

更年期の不調は、このエストロゲンの分泌量が減ることで起こります。また、生理痛はプロスタグランジンの作用が強くて、子宮が収縮する力が強くなることが大きな原因ですし、PMSは生理前にプロゲステロンが増減することが原因。こうしたことで、メンタルが落ちることもあります。

 

つまり、すべては女性ホルモンの影響で起こることで、あなた自身のせいではありません。そう思えば、少し心が楽になる気がしませんか? 
女性なら誰にでも起こりうることなので、自分を責めたりせずに、医療の力も借りて、前向きに理解し、不調を乗り切りましょう。

取材・文/和田美穂
グラフ作成/羽鳥光穂
イラスト/Shutterstock

前回記事「女性ホルモンを知ることは、自分の人生を知ることと同じ【産婦人科医・高尾美穂】」>>

 
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