女性陣のマウンティング合戦がリアル……！


同窓会で見せるのは、本当の姿ではない。精一杯虚勢を張って、偽りの自分を演じて。とくに、奈々江が抱えるモヤモヤには共感する人も多いのではないでしょうか。彼女は、女子アナになって海外セレブと結婚する生活を夢見ていた華やか女子。中学生の頃から、周囲にチヤホヤされてきたのに、家庭の事情で東京に出ることさえも許されなかった。地味な田舎で暮らしている自分に、こんなはずじゃなかったのに……と不満が溜まっていく。その葛藤を、他人への恨みに変えてしまう点は理解できませんが、奈々江のように、“あの頃”の自分と比べて落ち込んでしまう人は多いはずです。

また、大人しく見えていた優美も、奈々江にコンプレックスを抱いていました。だからこそ、奈々江よりも早く結婚して、名家に嫁いで。結婚式で、奈々江に向けて「奈々江にも、いい人見つかるわよ。こんな私にも、見つかったんだから」と言った時の表情は、本当に恐ろしかった……。そして、ようやく奈々江に勝ったと思ったのに、その後の生活がまったく幸せではなかったのも苦しいです。義理母からは、「早く後継ぎを」と急かされ、夫からはDVを振るわれる日々。それでも、同窓会では“良家のお嫁さん”として幸せそうに振る舞って。強がる彼女たちから垣間見える“弱さ”に、胸が苦しくなります。

 


林遣都が、ミステリアスな王子様に　新たな魅力を開花


林遣都さん演じる雨宮秀一は、中学時代からモテてきた完璧な王子様。現在は、東京でIT企業の社長を務めています。やり手なところも、素敵……！　ただ、どこか影があるというか。ミステリアスで、何を考えているか分からないというか。女性を“沼”にハマらせる魅力を持っている要注意人物です。とくに、優美の夫を淡々と成敗したあと、「ああ、怖かった」とキュるっとした笑顔を見せたのが印象的で。雨宮くん、強すぎる。

林遣都さんと言えば、『美丘-君がいた日々-』（日本テレビ系）や、『おっさんずラブ』（テレビ朝日系）など振り回され型の役柄が多い印象があります。あとは、どちらかというと冴えないキャラクターだったり。昨春放送のドラマ『ドラゴン桜』（TBS系）で演じた坂本智之のように、頭がキレる役柄は珍しいですよね。

けれど、『愛しい嘘』では、振り回し系モテ男を演じています。本作を通して、ああこんな林遣都が見たかったんだ……と気付かされました。惹かれてはいけないタイプのモテキャラを演じている林さん、これからもっと見ていきたいです。


第4話にして、怒涛の展開が繰り広げられている『愛しい嘘』。雨宮が、優美の夫・野瀬正に刃物で斬られるシーンがありましたが、彼は無事なのでしょうか（涙）。スピーディな物語に、必死で食らいついていきたいです。


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