失敗しても、キャリアの幕は閉じない


――本書では年齢に縛られず、キャリアを果敢に掴みにいく人たちがたくさん登場しますよね。会社で働く40代以上の女性は「管理職」のチャンスが巡ってくる年齢でもあると思います。中川さんご自身も書籍編集者をやりつつ部長職もされていますが、大変さを感じることはないですか?

仕事をしていると、やっぱり楽しいことばかりではありませんよね。プレッシャーがのしかかったり、本が売れなかったり、同僚や部署のメンバーが悩んでいたり。もちろん色んなことは起きるんですが、「あれもやらねば、これもやらねば」と自分を追い込むのではなくて、なるべく「こんなことができたら楽しいよね」と考えるようにしています。その方が、みんなも元気になるし、自分のやる気も出るので。

 

――せっかくのチャンスだけど失敗するのが怖い、自分にできるか自信がない、と感じて一歩を踏み出せない方も少なくないのではないかと。中川さんは、40代以上のキャリアに対する恐怖心をどう克服したらいいと考えていますか?

チップ氏は「モダンエルダー」の道を極めて成功を収めた例ですが、スタートアップでも管理職でも、もしダメだった時は「明るくやめればいい」と思うんですよね。チャレンジしてみてダメだった、という結果は当然あり得ます。でも、失敗事例ひとつで自分のキャリアそのものが幕を閉じるわけじゃない。日本の女性は特に、昇進に対して真面目に捉えすぎる方が多いと感じます。責任感があるのは素晴らしいことですが、「上手くできなかったら全部自分のせい」と抱え込むんじゃなくて、「私の適正を見極めもしないで管理職を打診した上司が悪い!」と、少しくらい人のせいにしたっていいんじゃないかなと。

 

――もっと軽やかに捉えてみては? と。

会社に迷惑がかかるとか、失敗したらキャリアが終わってしまうとか、そこまで気にしないでやってみればいいと思います。そういう姿勢でいた方が、後進の人たちも元気づけられるんじゃないかと感じますね。もちろん、本当にいやだったら管理職にならないという選択肢だってありですし。