『義母と娘のブルース』(2018)

 

綾瀬さんが演じるのは、かしこまった言葉遣いにポーカーフェイス、再婚相手・良一(竹野内豊)の小学生の娘・みゆき(横溝菜帆)に対しても「私、このような者にございます」と名刺を差し出し頭を下げて挨拶する岩本亜希子。こんな人、現実にいないのでは? と思うような役柄を見事に演じています。まずキャラが強いうえにビジネススキルの高さ、さらに芯の強さなど、さまざまな”強さ”を堪能できる作品です。

はじめはこのキャラ珍しさで観るのですが、どんどんストーリーに引き込まれてしまいます。亜希子が良一と結婚した理由を知ったとき、亜希子の覚悟と懐の広さと愛に驚き、感動します。

良一が亡くなり、義母ひとり子ひとりとなり亜希子は専業主婦に。みゆきが高校生(上白石萌歌)となった第二章では新たな人間関係も生まれ、亜希子の教育で若干考え方も似てきつつ、良一譲りの楽観的な性格も受け継いだみゆきとのやり取りも見どころです。

 

『天国と地獄 〜サイコな2人〜』(2021)

 

努力家で正義感が強い女刑事・望月彩子(綾瀬はるか)は、その真面目さゆえに融通が利かず失敗も多い。自分を馬鹿にする人たちに認めてもらうには、大手柄をあげるしかない! と息巻いた結果、不運にもサイコパスな連続殺人鬼・日高陽斗(高橋一生)と中身が入れ替わってしまう……というストーリー。

元の彩子ももちろんがむしゃらな強さを持っているのですが、中身が日高となった彩子を演じる綾瀬さんがすごい。声色や顔つきが全く違い、見事に演じ分けた主演のお二人に感心してしまいます。また大雑把でずぼらな彩子に対し、中身が日高である状態の彩子はその容姿を活かすべく化粧をちゃんとして身なりを整え、刑事の上司や同僚たちをちょっとドキドキさせるような強かさも持っており、疑惑が振りかかっても表情に出すことなく、うまいこと対応します。
 

今度はどんな「強さ」を見せてくれるのか?


今回あらためて振り返り、”強さ”というポイントに注目しただけでも幅広い役柄をこなす綾瀬はるかさんの演技力と魅力を再確認しました。綾瀬さん主演の映画『はい、泳げません』が6月に公開予定。まずは『元彼の遺言状』の今後に期待しつつ、彼女がその次の作品でどんな「強さ」を見せてくれるのかにも期待が高まります。
 

 


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