新しいコロナワクチン開発状況は?接種に関する展望は?【医師の解説】


最後に、今後の展望について少し解説していきます。まず、現在日本国内においてはコロナワクチン接種対象でない、生後6ヵ月から5歳未満のお子さんに対する接種の適用拡大が予想されます。また、追加の接種に使用されるワクチンは当面BA.1対応ワクチンの予定ですが、今後はモデルナなどが開発を始めた、BA.5対応ワクチンも入ってくるかと思われます。

ですがそれだけでは、「変異株があらわれるたびに対応するワクチンを開発する」というイタチごっこ状態ですよね。せっかく開発されたBA.5対応ワクチンが完成した頃には、また別のウイルスが流行っている、ということも起こり得るのです。そんな今後の展望を考えた時に、BA.1やBA.5だけでなく、どのような変異株にも対応できるような「ユニバーサルワクチン」の開発も進んでいます。

さらに、現在のワクチンには、重症化予防はできるけれど、なかなか感染予防ができていない、という課題があります。この課題に対して、経鼻ワクチンという、鼻の粘膜にスプレーをして免疫を高め、ウイルスの侵入をブロックするという考え方のワクチン開発も進んでいます。

今後は、ユニバーサルワクチン、経鼻ワクチンなども加わり、いろいろなタイプのワクチンが出てくる可能性があります。新しいワクチンや接種のタイミングに関しては、少し柔軟に続報を待っていただく、という姿勢でよいかと思います。

 

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写真/shutterstock
構成/新里百合子
 

 


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