中村倫也 & 赤楚衛二のタイプのちがう優しさにときめく


そして、石子を取り巻く2人の男性も魅力的! まず、中村倫也さん演じる羽男は、写真のように見たモノを記憶する“フォトグラフィックメモリー”の持ち主で、変人な天才といった感じ。それなのに、エリート一家で育ったためか、どこか“影”があるところに惹きつけられます。そして、考えていることが読めない! いや、おしゃべりなのに、肝心なところは言わないというか。

石子が具合が悪そうだと察知した時も、「大丈夫? 休んでれば?」と言えばいいのに、「事務所で、事務作業をしてろ!」「最近、でしゃばりすぎ!」と、とにかく回りくどい。でも、まっすぐに「休みなさい」と言っても、石子は聞かないだろうから……と思ったところは可愛いですよね。石子の性格をしっかり分かっていて、遠回りな優しさを与えてくれる。それが、結果的に不器用に映ってしまうところが愛らしい。

 

その一方で、真っ向から優しさをぶつけてくるのが、石子の高校の後輩・大庭(赤楚衛二)です。大庭は、石子に対してとことんまっすぐ。「先輩!」とキュルキュルした瞳で語りかけ、欲しい言葉を与えてあげる。告白をする前から、「転職活動が成功したら、告白をします!」と“告白の告白”までしちゃうし。あまりにも子犬感がすごすぎて、「あれ? 尻尾ついてる?」と思ってしまうほど。

ただ、ドラマの王道だと、石子は羽男と結ばれそうですよね。筆者も、「ああ、大庭くん、可愛いけど絶対振られてまうわ……」と確信していました。しかし、なんと大庭の告白は成功。現在、石子と大庭は恋人同士になっているのです。これって、もう羽男にチャンスはないのでしょうか。

男女が強い絆で結ばれているとしても、安易に恋だの愛だのにもっていかない。そういうところも、『石子と羽男』の魅力なのかもしれません。正直、序盤は「はよ、石子と羽男結ばれてくれ〜!」と思っていたけれど、今となっては2人のバディ感が心地いいです。大庭の恋を全力応援している羽男が、今さら「やっぱり俺も好きでした」ってオチにはならなそうだし。男女の絆の終着点は、必ずしも恋や結婚だけではない。そういう“タッグ”の物語があってもいいなぁと思うのです。

 


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