逆に、よい注意をし続けていると、子ども同士だけで遊んでいる時でも、自分たちで状況を判断し、自ら気づき、行動を正し、他の子どもたちにも注意を喚起してくれるようになります。そして、子どもに注意をする機会はどんどん減り、子どももますます自律的に行動するので、よいサイクルが生まれていきます。

子どもに「ネガティブなアピール」をさせない

 

注意の仕方の一番のポイントは、②の「減らしたい行動」との対応方法です。
例えば、授業中に子どもが意図的にずっと机にひじをついて、身体全体の体重をひじにのせて、斜めの姿勢になっていた、とします。こういう時は、あなたならどういう対応をとりますか? もしこの時、理科実験の最中であれば、集中して指示を聴いていないうえ、姿勢が悪いのであれば危険な行為ですので即時注意です。でも、これが作文の時間だったら、どうでしょう。

×悪い対応:「姿勢悪いよ! ちゃんとして」などと注意をする。
〇よい対応: あえてそれに注目しない。注意をしない。

そもそも、子どもは何でこういう悪い姿勢を意図的にとっているのでしょうか? 本当に疲れているのであれば、もっと別の姿勢になるので、何か理由があるのです。

 

多くの子どもが、常に自分だけ注目を浴びて特別扱いをしてもらいたい、という願望を持っています(大人もそうかもしれません)。そして願わくば、よい言動をして注意を浴びたい。でも、よい言動ができないのであれば、意図的に悪い行動をしてでも、注目をされたい、と思い、実際にしてしまう子どももいるのです。