一瞬で視聴者を虜にした奈緒のブチ切れシーン


奈緒さん演じる主人公の岩﨑和佳は、幼い息子を抱えるシングルマザー。寂れた港町のホテルで仲居として働き始めますが、そこで知り合った漁師の片岡(堤真一)から街を立て直してほしいと頼まれます。そこで思いついたのが「おさかなボックス」。これまで漁協を通して販売していた魚を、直接消費者のもとに届けることで利益を出そう、というもの。シンプルで素晴らしいアイディアですが、漁協の反対や漁師たちの頭の固さなど様々な壁が立ちはだかります……。

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タイトルの「ファーストペンギン」というのは、敵だらけの海に最初に飛び込んだ勇気あるペンギンのこと。未知の領域に最初に足を踏み入れ開拓したことで、多くの人たちが後に続くようになった……、そんな存在のことを指しています。そのタイトルが表すように、和佳は、慣習が支配する男社会に身一つで飛び込み、降りかかる難題を必死で解決し、おさかなボックスを軌道に乗せていきます。それだけに毎回主演の奈緒さんが、文句ばかり言って何も変えようとしない男性たちにブチ切れるシーンは見もの。とくに第一話のラストで、「つべこべ言わんとついてこい!」と啖呵を切る姿は圧巻で、一瞬にして視聴者の心を虜にしてしまったのでした。

 

この後も、和佳はとにかくすごいんです。「こんなに良いアイディアを思いついてしまったんだから」と、どんなに邪魔をされてもへこたれない。何度片岡から「もう来るな」と追い払われても、隙あらば漁師たちに「魚を売ってくれ」と忍び寄る。漁協に反対されたら、「ならば」と漁協を飛び越え国の認可を取ってくる。それも認可書類の判をもらうために、逃げ回る関係者たちにスッポンのように食らいついて……。