「老後は娘と暮らしたい」けれど……? 様々な家族の形


山田:アメリカでもよく冗談で、高齢の患者さんが「やっぱり娘がいてよかった。年老いた自分を世話してくれるのはやっぱり娘だ」と言われることがあります。もちろん、男性に介護ができない、というわけではありません。力仕事が必要になるケースもありますし、息子さんが熱心に介護をされているケースも見ています。ただ、一般的な傾向としては、女性の方が圧倒的に多いですね。

 

編集:娘さんがいない方や、いたとしても親子関係が良くなかったりする場合もありますし、いろいろな家庭の形がありますよね。

山田:おっしゃる通りです。息子さんだけという家族、もしくはお子さんがいない、あるいは死別している、家族が国外にいるなど、ここアメリカでは日本以上に多様な家族の形が存在しています。

編集:そうですよね。「娘だからといって頼られ過ぎても困る」という声も聞きます。

山田:「もっと頼ってほしい」という娘さんもいらっしゃいますし、本当に、ご家族の数だけ、それぞれのニーズが存在するのだと思います。

編集:いろいろな形が存在することを前提として、日々年老いていく親と、子の立場としてどう接していけばいいのか、どんな準備が必要なのかを教えてください。