尊厳を踏みにじる「ネタ」「ゴシップ」消費の風潮

 

筆者は以前から、マスコミによる、芸能人ならばプライベートに踏み込み、センシティブな情報も流していいという風潮に強い違和感がありました。

 

例えば、元恋人か現在の恋人かわかりませんが、その人が撮ったアイドルのベッド写真を流出するということもありました。これが一般人ならリベンジポルノにもなり得る、犯罪行為です。でもそれが芸能人なら「ネタ」「ゴシップ」として消費されてしまう。

具体的に上げるのも憚られるような、性的なプライベートが報道されるのもよく目にします。でも、芸能人だからといって、究極のプライベートを晒されていいのでしょうか。
「有名税」と言って、不問にされることなのでしょうか。

芸能人といえ、感情もあり尊厳もある、普通の人間なのです。プライベートやセンシティブなことをアウティングされたり、執拗に追いかけ回されたり、子どもを盗撮されたり。そんなことが許されていいのでしょうか。

訴えるのもとても労力がいりますし、仕事に支障が出ることも憂慮して、泣き寝入りする芸能人も多いのではと推察します。しかし、今の状態を放置すれば、一人の人間の人生を壊してしまう、最悪命さえ失ってしまうかもしれない、深刻なことだと思います。

芸能以外の仕事をやればいいという人もいますが、今泉さんにとって、この仕事はかけがえのない、大好きな場所だったのだろうということが、過去のインタビューやブログの文面から痛いほど伝わってきます。

母親になったらキャリアや自己実現を諦めなければならないのでしょうか。夫が罪を犯したら、際限なく叩かれ、追い回され、心身共に限界が来るまで追い詰められていいのでしょうか。筆者にはとてもそうは思えません。