まさかの「障害者手帳がもらえない」!?


そして新しい年が明けて子どもたちの3学期が始まってすぐ、かつて入院していたリハビリ病院の門を久しぶりにくぐった私。

毎日のように頑張って登った階段や、こっそり飴を買った売店、リハビリの時間になると渋滞に悩まされたエレベーター……、さまざまな思い出が蘇ります。

けれども、寝食をともにした仲間の多くはすでに退院し、新しい患者たちがリハビリに励んでいました。なんだか、前カレに「彼女ができた」と聞いた時のような、なんとも言えない寂しさが胸をよぎります。

これからずっとお世話になると思いきや、退院1ヵ月たらずで卒業することになったマイ装具と、専用のシューズ。感慨深い……!

診察室に呼ばれ、1ヵ月ぶりに担当ドクターと対峙。

 

退院後の生活について、困ったことや大変なことがないか、体調に変わりはないかなどと問診を受け、血圧や腕や手の状態も診てもらいます。

「理学療法士さんに大丈夫だと言われて、今日も装具はつけていないんです」。ドクターと理学療法士さんたちが何度も話し合いを重ねて、私にぴったりの装具を作ってくれたことを思い、おずおずと打ち明ける私。

「ああ、確かに。もうなくても大丈夫そうですね」

やった〜、主治医のお墨付きがもらえました! これで、スニーカーやムートンブーツなど、これまではいていた靴がまたはける。階段も一段一段足を揃えずに下れるし、車を運転する際にわざわざ着脱する必要もなくなります。

「順調に回復しているようなので、もうこの病院は卒業です! ここまでよく、頑張りましたね」と、にこやかに微笑むドクター。

「ありがとうございます! 障害者手帳を申請する、診断書をいただけますか?」とお願いしたところ、「う〜ん、ちょっと待ってね。……今の状態だと、ちょっと診断書は書けないですねえ」と衝撃の一言が!

えっ、こんなに不自由なのに、私は障害者とみなしてもらえないの!?

茫然自失した状態で、ひとり帰路に着く私なのでした。