近いのに遠い、駐車場の「思いやりスペース」
障害者手帳とは、身体に障害がある人、知的障害を持つ人、精神疾患を持つ人を対象にした手帳のこと。脳卒中などによる後遺症がある人は、身体障害者(麻痺)または精神障害者(高次脳機能障害)にあたるのが一般的です。
この手帳があると、医療費の助成や所得税、自動車税などの軽減、公共料金の割引サービスが受けられるほか、障害者雇用での就転職活動が可能になります。タクシーを使う機会が増えた私は、運賃の10%割引などがとても魅力的に思えます……!
さっそく手帳の等級を調べてみると、該当する「肢体不自由(下肢)」の欄には「1級 両下肢の機能を全廃したもの」「2級 両下肢の機能の著しい障害」などと、かなり厳しい内容。手帳が支給される一番低い6級で「下肢の足関節の機能の著しい障害」とあります。
私の場合は、杖をつきながらなら歩けるので、やはり当てはまりそうもありません……。
手もだいたいこんな感じで、たとえば指が欠けていたり、まったく動かなかったりするわけではないので、難しそうです。
でも、箸で食事はできないし、字だって満足に書けないのになあ。何より、スーパーなどに買い物に行ったときに、身障者マークがついた「おもいやりスペース」に駐車できないのが痛手です。自由に動く左手で杖をついていては、右手で荷物をもつこともできません。入口近くに停められたら、すごく助かるのになあ(悲)。
リハビリ病院のケアマネージャー、今通っている病院のリハビリの担当者、さらには急性期病院の担当ドクターにも聞いてみたところ、みなさん一様に「取れても一番低い、手帳は支給されない7級でしょう」との返事。
うう。こうなったら、優遇されなくても大丈夫なくらい、回復しなければ!
「そこまで回復して、よかったじゃないですか」と担当ドクターににっこり笑われ、なんとも複雑な気持ちになった私なのでした。
>>次回は、倒れて1年! 今の身体や生活についてです。
文/萩原はるな
写真/萩原はるな、Shutterstock
構成/宮島麻衣
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