いつも通りの夏の日曜日に、突然の脳卒中で倒れたのは、48歳2児の母でありフリーライターの萩原はるなさん。救急車で急性期病院に運ばれ、予兆も準備もまったくないまま入院生活が始まりました。

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写真:Shutterstock

なぜ自分に、こんなことが起こったの? 後遺症は? 突然の事態に自分なりに向き合いながら、治療やリハビリに励んだ入院生活が終了。日々の生活に順応しようともがくうちに、あっという間に倒れてから1年が経過しました。

 

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倒れた日からもうすぐ1年! ついに杖を卒業


12月10日に退院して無事に自宅で年を越し、まもなく右脚の装具がとれた私。身体障害者手帳はなくとも、杖のおかげで不自由であることは伝わるようで、電車で席を譲ってもらうことが多くありました。

オシャレなZ世代の子が「どうぞ」と立ってくれたときの感動ったら! 

とはいえ、駅の階段で一生懸命降りているときに「チッ」と舌打ちされたり、歩きスマホのスーツマンにぶつかられて転びそうになったりしたことも、何回かありました。不自由になって感じる、世知辛さよ……。みんな、そんなに急いでどこへ行く?

外出時の相棒・迷彩柄の杖ですが、とっても頼りになる一方、邪魔であるのもまた事実。右手が戦力外である以上、左手で杖を持っていると、リュックや肩掛けバッグしか持てません。エコバッグなども持てないため、「ちょっと出先で買い物」ができない不自由さときたら……。

しかも、雨が降るとひとりでは外出できないという弱点が! 右手で傘を持てるようになる、というのは、リハビリ病院の入院時からの課題でした。もちろん当時は単なる夢物語でしたが、仕事に復帰した以上、「雨だから行けません」なんて、「南の島のハメハメハ大王」みたいな言い訳はできません。

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入院中、ネットで発見して「ほしい!」とポチった迷彩コンバース。「いつか、履けたらいいな」という願いを込めて買ったスニーカーが、普通に履ける日がくるとは。

倒れてからあと1ヵ月で1年、というころに「最初は大変かもしれないけど、杖なしの外出に挑戦してみよう」と思い立った私。折しも梅雨時で、「トライするなら、今でしょ!」と覚悟を決めたのです。

何も支えがないのは怖かったので、ビニール傘を片手に外出にチャレンジ。「曇り空だし、これなら怪しくない♪」とひとり悦にいっていましたが、きっと誰も気にしちゃいなかったことでしょう。

チャレンジした結果、すごく疲れるものの、杖がなくてもなんとか外出できることが判明。後日、傘も持たずに外出してみたところ、しんどさよりも左手が使えるメリットのほうが断然大きかったのです。杖って、座っちゃうと急に邪魔者になることが発覚。シーンとした空間で「ガシャ〜ン!」と倒してしまい、肩身の狭い思いをしたことが何度もありました。

階段は手すりにつかまらないと心許ないのですが、何より外出中に、ふらっと駅ナカで買い物ができるフリーダムさよ! 杖に頼らなくなって少し経つと、右脚もより踏ん張れるようになってきた気がします。つり革にもつかまれるので、電車内で立つのもラクになりました。

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6月、自転車に挑戦! なんとか乗れた。ただ、乗り始めと降りるときに誤って右脚に体重をかけると、支えきれず倒れてしまうことが判明。3人乗り電動自転車は、まだ重すぎる模様。