冷静に証拠を集めるのが得策


パートナーの不貞に気づいた場合、どうするべきなのか、意見が分かれるところです。鉄則は、後々のことを考えて、証拠をおさえること。そのためには、多少相手を「泳がせて」、戦略的に話合うことも有効です。異性と一緒に街を歩いていた程度の写真では不貞を認めさせることはできません。関係性が明らかになるメッセージを保存できれば良かったのですが、それも不発に終わりました。

しかし千佳さんが賢明だったのは、今回の証拠では浮気を証明できないと早々に悟り、自分に不利になるような口論に持ち込まなかったことです。浮気の証拠を突きつけるときは、別れるのか、修復するのか、自分なりの考えを固めてからにするべきと言えるでしょう。この時点で、千佳さんに別れるという選択肢はなかったので、「負け戦」で、しかも相手を追い詰める方法はとらないと決めました。

「次はない」と、雅弘さんに宣言したあと、千佳さんは水面下でインターホンに映っていた女性の素性を調べます。彼や彼の友人のインスタグラムのフォロワー数百人を一人ずつ調べたそうです。

 

SNSの繋がりや掲載した写真から、人間関係や個人情報を掴むことができてしまうのがネット社会の恐ろしいところ。

別の取材では「インスタグラマーの写真を拡大して、瞳に映るものから場所や一緒にいる人を調べることもある」「写真に写る背景やイルミネーションなどから場所と時期を特定する」という話もありました。写真の撮影時に位置情報がオンになっていて、さまざまなことが漏れた、というケースもあります。個人情報が洩れる可能性は、常に意識しなくてはなりません。

 

SNSを駆使し、深夜に雅弘さんを訪れた女性の素性を掴んだ千佳さん。その女性をフォローし、「深夜に彼を訪れるのは、ご遠慮ください。私たちの関係を、ご存知でしょう」と牽制のDMを送ったそうです。

果たしてそれは浮気の抑止効果になったのでしょうか。

後編では、「婚約状態」だと思っていた関係性の脆さ、パートナーの不貞を糾弾するときにおさえておくべきポイントとその方法についてレポートします。


写真/Shutterstock
取材・文/佐野倫子
構成/山本理沙

 

 

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