「いいね」を押すほど体と心にネガティブな影響が見られた
山田:結論から言うと、FacebookのLike(いいね)を押した回数が増えるほど、身体的・心理的健康のスコアが低下するというネガティブな関連性が見られたのです。逆にオフラインでの友人たちとの交流は、身体的・心理的健康のスコアが増加するというポジティブな結果となりました。
編集:予想通りの結果でした!ところで、今まで「医者のいらないラジオ」でこうした研究結果を見るときには、「相関関係」と「因果関係」の違いに注意する、ということを学んできました。今回の研究は、あくまで「相関関係」ということなのですよね。
山田:そうですね。ただ、今回の研究は、Like(いいね)を押す回数が多い順に3グループに分類し、多いグループほど健康スコアが低くなるという関連、いわゆる「量反応関係」も評価されています。また、数年にわたって調査をしているので、「時間関係」を見ることもできました。このような「量反応関係」や「時間関係」というのは、より「因果関係」の証明に近づけるための根拠になりうるものなのです。
編集:いろいろなバイアスや制約などがあるなかで、出来るだけ実際に起こっていることを解き明かそうとした調査なのですね。様々なニュースでアンケート調査や研究を見る際にも、役立つ視点が学べました。ありがとうございました!
<新刊紹介>
『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』
著:米マウントサイナイ医科大学 米国老年医学専門医 山田悠史
定価:本体1800円(税別)
講談社
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高齢者の2割には病気がないことを知っていますか? 今から備えればまだ間に合うかもしれません。
一方、残りの8割は少なくとも1つ以上の慢性疾患を持ち、今後、高齢者の6人に1人は認知症になるとも言われています。
これらの現実をどうしたら変えられるか、最後の10年を人の助けを借りず健康に暮らすためにはどうしたらよいのか、その答えとなるのが「5つのM」。
カナダおよび米国老年医学会が提唱し、「老年医学」の世界最高峰の病院が、高齢者診療の絶対的指針としているものです。
ニューヨーク在住の専門医が、この「5つのM」を、質の高い科学的エビデンスにのみ基づいて徹底解説。病気がなく歩ける「最高の老後」を送るために、若いうちからできることすべてを考えていきます。
構成/新里百合子
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