私たちの社会は、性別という要素をとても重視している

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女性を閉じこめる「ずるい言葉」の数々に関する考察をお読みになって、どう感じましたか?「この社会で女性が生きていくことは、こんなに大変なことなのか!」とがっかりしたり悲しくなったりした人もいるかもしれません。そうなんです、大変なんです、と力説しておきます。

私たちの社会が、性別という要素をとても重視しているものであることは間違いありません。だからこそ、どんなときでもそうやって重視する必要があるのか、そうすべきだとしても正しくできているのかは、つねに真剣に考え直され続けなければならないことです。

 

『10代から知っておきたい 女性を閉じこめる「ずるい言葉」』
著者:森山至貴(もりやま・のりたか) WAVE出版 1650円(税込)

「女性のわりには話が通じるね」「女の子に淹れてもらったお茶はおいしい」など、日頃から社会でもSNSでもよく耳に、そして目にする言葉。これらは女性を勝手に区別したり、枠にはめこもうとしたりする「ずるい言葉」です。子どもたちに伝えたい「ずるい言葉」リストと、言葉を浴びせられてしまった時に、どう考え、対処したらいいのかについてのヒント。


著者プロフィール
森山至貴(もりやま・のりたか)さん

1982年神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻(相関社会科学コース)博士課程単位取得満期退学。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻助教、早稲田大学文学学術院専任講師を経て、現在、同准教授。専門は、社会学、クィア・スタディーズ。著書に『「ゲイコミュニティ」の社会学』(勁草書房)、『LGBTを読みとく―クィア・スタディーズ入門』(ちくま新書)、『10代から知っておきたいあなたを閉じこめる「ずるい言葉」』(WAVE出版)がある。


イラスト/神保賢志
構成/大槻由実子