5月6日、英国ではチャールズ国王の戴冠式が行われます。昨年9月8日に即位をされてから約8ヵ月後。前君主エリザベス2世(エリザベス女王)の1953年の戴冠式以来、70年ぶりの歴史的儀式となります。

場所は、歴代の君主同様ロンドンはウェストミンスター寺院。こちらといえば、キャサリン妃とウィリアム皇太子のご成婚の場所でもありましたね。

エリザベス女王の時代というのは、ちょうどテレビが普及し始めた頃。実は初めてエリザベス女王が戴冠式をテレビ中継することを許可されたのです。

そんな時代背景をも象徴する世紀のビッグイベントだけに、今回のチャールズ国王は伝統を守りつつも、今の時代に即した、“サステナブルでなるべく簡素に”とお考えのようです。とはいえ、いまだ華麗かつ荘厳な儀式が残るのは英国のみ。

伝統とモダンが融合した新国王の信念がこめられた戴冠式はどのようなものになるのか、楽しみでなりません。というわけで、注目の戴冠式の見どころをご紹介します!
 

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① 戴冠式


何と言ってもやはり、ハイライトは戴冠式。簡単にいうと、君主となる国王へ冠を載せる儀式ですが、宗教的儀式が元となっており、承認、誓いの言葉、聖油の塗布、任命、戴冠、敬意という、6つの主要要素で構成されます。

1953年6月2日、エリザベス女王の戴冠式。写真:TopFoto/アフロ

戴冠式を執り行うのは、君主を最高総督とする、英国国教会の最高位、カンタベリー大司教。これも伝統であり、エリザベス女王の時にも同じお立場の方が執り仕切られました。
 

② レガリア

写真:Mary Evans Picture Library/アフロ

戴冠式で、王位の象徴として使用される王室宝器(レガリア)があります。
代表的なものがこれらです。
 ●聖エドワード王冠
 ●オーブ(宝珠):君主の権威の象徴
 ●十字架の王笏(世界最大 /530.2カラットのダイヤモンド、カリナン1世が配されている):権力の象徴
 ●鳩の王笏:公平さと慈悲
 ●指輪:国家との結婚を象徴

1953年6月2日、エリザベス女王の戴冠式。写真:Heritage Image/アフロ

ちなみに70年前の戴冠式で、これらを含めドレスにガウンなど、エリザベス女王が身につけられていた総重量は、なんと20キロ以上だったとか。慣れておくために、また首や体も鍛えるべく、日々の生活の中で身につけていらしたのだそうです。
 

③ チャールズ国王が戴冠される王冠


実は、戴冠式の日に着用される王冠は2つ。 一つは17世紀に作られた“聖エドワード王冠”。

聖エドワード王冠。写真:代表撮影/ロイター/アフロ

まさに、カンタベリー大司教からチャールズ国王の頭上へ戴冠される時に使用されるものですが、この王冠の重さ2.04kg! とっても重いんです。それゆえ、エリザベス女王の時と同様、戴冠の時にのみ使用されます。

もう一つが、“大英帝国王冠”。

1953年6月2日、エリザベス女王の戴冠式。写真:Press Association/アフロ

戴冠式を最後に、聖エドワード王冠から大英帝国王冠へと被り変えられたエリザベス女王。バッキンガムパレスまでの馬車パレードやバルコニーへのお出ましの際にも、やはりこちらを着用されていました。チャールズ国王も同様にこれらの2つを使い分けられると見られています。

この王冠には、世界で2番目に大きなダイヤモンド、カリナン2世(317.4カラット)が中央にセットされていることでも有名です。

2022年9月19日、エリザベス女王の国葬。写真:代表撮影/ロイター/アフロ

オーブ、王笏とともに、昨年のエリザベス女王の国葬時、柩の上に載せられていたことでも記憶に新しいのではないでしょうか。
 

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