入院時に必要なもの


急な病気やケガで入院することになった場合、持ち物は一体何が必要なのか──。相談者・晴美さんのお父様のように、初めての入院であれば見当もつかないと戸惑ってしまうかもしれません。

入院の際の持ち物には、大きく「入院時に必要なもの」「入院生活に必要なもの」「あると便利な持ち物」の3つがあります。入院設備のある病院では、入院時に必要な物のリストを渡してくれるので、病院の指定に沿って揃えてください。親の入院はもちろん、50歳を過ぎたら自分の急な入院でも慌てないために、必要なものは事前に準備をしておくと安心かもしれません。

流れとしては、入院が決定すると入院受付で部屋の希望の確認や入院に関する説明を受け、その後諸々の書類を提出します。患者の状況によって本人が直接窓口に行けない場合は、家族でも手続きが可能です。

親がいざ入院となると、その容体が心配であるのはもちろん、お金のことが頭をよぎるかもしれません。入院費用は、ひとまず個室にさえ入らなければ高額療養費制度を使えばどうとでもなると考えて大丈夫です。詳しくは、以前こちらの記事でもご紹介したのでご覧ください。支払いに関してはご存知の方も多いと思いますが、入院手続き時に保険証を忘れるとひとまず実費払いとなり、保険の取り扱いができないので注意してください。


入院生活に必要なもの


洗面用具、筆記用具、湯呑茶碗、スプーンや箸、ティッシュペーパー、室内履きなど、入院生活に必要なものはその日のうちに準備することが多いので、あらかじめ準備してまとめておくのも手です。ただし、準備が大変な日用品は少なく、予算が許すのであれば病院内の売店でも調達可能です。近くにスーパーや100円ショップがあるようでしたら、そこで用意しても良いかもしれません。

病院によっては、感染防止対策として、衛生上多くの病人の食器類を一度に洗浄していないケースもあります。本人や家族が管理できない時は、使い捨ての割り箸やスプーン、紙コップが必要になる場合があります。

 

あると便利な持ち物


では、あると便利な持ち物を具体的に見ていきましょう。

①クリアファイル
病院では細々とした書類をもらうことがよくあるので、それらをまとめて入れておくのに便利です。

②体拭き
入院中は毎日入浴できるわけではありません。そのため、ちょっとした汚れを拭きたい時、身体をリフレッシュしたい時などに体拭きがあると便利です。

③S字フック
ビニール袋やかごをかけるのに便利なS字フック。イヤフォンやスマートフォンの充電用コードなどの整理もできます。

④院内で持ち歩くA4サイズの袋類
洗面道具を持って洗面所に行く時、売店に買い物に行く時など、移動の時に手がふさがらないので、A4サイズの袋があると便利です。

⑤延長コード
入院時は、1人に対して1つのコンセントが基本です。スマートフォンやパソコンなどを持ち込む場合、延長コードは必需品となります。

⑥ヘアバンド・ヘアゴム
入院中は洗髪も頻繁にできるわけではありません。特に女性は髪を束ねておくと清潔感もあり、邪魔になりません。

⑦ブラ付きタンクトップ
女性の場合、普段つけているブラジャーは息苦しく、病院向きではありません。かといってノーブラというのも気が引けます。その点、ブラ付きタンクトップであれば着心地も楽でおススメです。
 


親の入院でレンタルがオススメなのは?


入院において、レンタルがお勧めのグッズもあります。それは「病衣」と「紙オムツ」です。

【病衣】
病衣に関しては、レンタルできる病院が一般的になってきています。私・渋澤は、親の入院時に病衣だけは毎回レンタルを利用しました。レンタルした病衣は、前開きで袖にもゆとりがあります。病院では検温や主治医の聴診があるので、そんな時は前開きが便利です。

また、点滴で腕をまくる時は袖がやや広めのゆとりあるものが適しています。ベッド上でのオムツ介助が必要になると、上下分かれたタイプから介助がしやすい仕様のワンピース型に変更を求められる場合がありますが、その際、買い替えの手間もなくとても助かります。

レンタル品は、季節に合った素材を選ぶ必要もなく、病院の温度設定に合わせた通気の良い素材であることも利点です。着替え分で2〜3枚購入するよりは、レンタルの方がお得とも考えられます。

【紙オムツ】
私・渋澤の場合、親の入院した病院が自宅から徒歩5分くらいにあったため、紙オムツは市販のものを毎日持参していました。個数管理が必要なこと、使用済みのオムツは病院で廃棄してもらえなかったこともあり、毎日持ち帰っていたのです。このように、毎日通える環境であれば、市販のものの方が圧倒的に安く済みますし、親の様子も確認できて安心できます。

ですが最近は、面会が制限されていたり、環境的に通うことが難しい方も多いと思います。病院では単品売りで1枚100円以上かかりますが、入院セットの中にオムツセットを準備している病院もあります。遠方で交通費がかかる方、清潔を保ちたい方、面会に行く時間が取れない方は、このセットも確認してみてください。

一人暮らしや高齢者世帯であれば、これらの入院時に必要な一式を、災害用の準備と同じような感覚でカバンに用意しておくと安心ではないでしょうか。


構成/渋澤和世
取材・文/井手朋子
イラスト/Sumi
編集/佐野倫子

 

 

 

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