「ありのままを受け入れよう」はときに残酷


また、プラスサイズモデルについて触れられたシーンがあります。
梨花の友人であるプラスサイズモデル、ボディアクティビストの奈緒美と梨花が、「ボディポジティブ」、「美の多様性」について対談することになった際、知子はこう言い放ちます。

 

「普通に残酷すぎませんか。メディアに顔出しできるような容姿に恵まれた女性が世間に向けて『ありのままの自分を愛そう』と語りかけるのって……」

 

これに対して、梨花は「容姿に恵まれた女性」はルッキズムに関して意見を言ってはいけないってこと? と反論しますが、正直筆者は知子の意見にめちゃくちゃ共感しました。

もちろん、どんな姿形であろうと、それぞれに深刻な悩みがあるし、それらは比べられるものではありません。でも、常に容姿を揶揄され、差別される人と、表立って美について意見を言える人に隔たりがあるのは当然のこと。

 

世の美の基準の範疇にいる人が、「ありのままを受け入れよう」という場面って現実でも目にしますが、確かに相当残酷だなと感じます。