自走を促すための小論文ノート 生徒同士の意見交換

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生徒たちには、それぞれ「小論文ノート」という社会問題をまとめたノートを作ってもらって、テーマごとに新聞や本を使って各自で調べて感じた意見や疑問を書き込んでもらいます。それを生徒同士が見せ合って、互いに吸収し合う時間も作ります。

もちろん生徒によっては、合う・合わないがあるので僕の指導スタイルは生徒たちに学習方法を紹介するという表現が適切かもしれません。

 

例えば目から情報を吸収する方が向いている視覚優位な子と耳からの方が吸収しやすい聴覚優位な子では適切な方法は異なります。大事なことは自分に適した方法を見つけ調整していく自己調整力を身につけることだと考えています。

小論文は、一つのテーマに対してあらゆる考え方があることを知ってもらう必要があります。生徒同士が意見を交換することで視野が広がり、視点が深くなっていきます。

そういう意味で、小論文は一人で黙々と勉強するスタイルは合わないかもしれません。

僕が進路指導をするときに大切にしていることは、生徒たちが自走できる状態にすることです。その上でまずは「わからないことがわからない状態」を脱するようにしていきます。いわゆる「無知の知」です。

初めはわりと楽しく学ぶことができるのですが、少し学ぶと理解が進み、社会問題に気づくようになっていく。そして自分はこんなに自分の生きている世界のことを知らなかった、ということに気づく。そんな過程を経て生徒自身が自ら考えて調べる状態をつくるのを、小論文指導を通じて伴走していくイメージです。