誰もが歳をとり、いずれ介護が必要となります。今は元気な親でも、ある日、怪我をきっかけに歩けなくなり、少しずつ弱っていってしまうことも。
今のうちから介護について知っておくと、役立つこともあります。経験者はどんなことに苦労をし、どんな方法で乗り越えていったのでしょうか。
経験者が語る介護の大変さ
40、50代の女性が多いmi-mollet(ミモレ)読者に、「介護で大変だったこと、そして、うまくいった方法」についてアンケートをとったところ、さまざまな回答をいただきました。
まずは、「介護で大変だったこと」には、こういった回答がありました。
・トイレの介護が大変だった。夜中に何度も起こされ、寝不足になった。
・認知症になり、夜中に外に出たり、庭で排せつしたりした。
・火事をおこさないか、常に心配した。
・親が思うように体が動かなくてストレスをためてしまい、メンタルケアに苦労した。
・わがままになっていく母を、疲れがたまった自分が優しくできないときに、落ち込んだ。
・父親がどんどん変わってしまい、自分の知っていた父ではなくなっていくのを受け入れるのが辛かった。
・手も金も出さないけど、口は出す親戚がいて、迷惑だった。
など。
アンケートの回答では、特に「認知症」「下の世話」「介護する相手と自分のメンタルケア」に苦労する人が多かったです。
自力でトイレに行けなくなるのは、本人も辛いし、親のものとはいえ、排泄物を処理することにキツさを感じる人は少なくないでしょう。
最近は、“下着のように穿けるオムツ”もあるので、以前よりは楽になってきたところがありますが、「自分でトイレに行けるか」は、高齢者施設に入ってもらうかどうかの目安にしている人は多いでしょう。
認知症は、本人も周りも辛い
認知症については、多くの人が悩む問題です。私の友人の(今は亡き)お父さんは認知症で、お母さん(お父さんにとっては妻)が先に亡くなったことを何度も忘れ、探し回ってしまったのだとか。
友人が「お母さんが他界したこと」を説明すると、その度にお父さんはショックを受けていたそうです。
何度も、妻が亡くなったことを受け止めなくてはいけないお父さんも可哀そうですし、それを説明しなくてはいけない友人も辛かったことでしょう。
介護する相手が認知症だと、支える側には忍耐強さを求められることになりそうです。
私の父も現在、軽度の認知症です。判断力の低下も出てきて、怪我やミスをすることが増えてきました。
父はひとり暮らしなのですが、今は、毎日、誰かが父の家に行って様子を見る状態にしています。
実は今、“ある問題”に直面しています。それは、あまり介護用の本には載っているようなことではなく、私自身、盲点でした。
それについては、次のページで紹介します。
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