感覚鈍麻は脳神経が刺激を認識する「閾値」が大きい!?

 

脳神経が刺激に反応する(刺激を認識する)最小の刺激量を「閾値(いきち)」といいます。閾値には、個人差があります。わかりやすくするために、閾値をコップの大きさでたとえてみましょう。感覚過敏の人が持っているコップの大きさは平均的なコップより小さいので(=閾値が低い)、感じ取れる刺激の量に早く到達し、わずかな刺激に反応すると考えられます。

 

一方、感覚鈍麻の人の持っているコップは平均より大きいので、感じ取れる量まで刺激の量がなかなか到達せず、刺激を感じ取りにくい、つまり、鈍感であると考えられます。

ただし、感覚過敏か感覚鈍麻かは、閾値だけによって決まるわけではありません。音の高さの違いの細かさや色の認識の細かさなど、目や耳、皮膚など「感覚器」の刺激の幅への感度の特性であるケースや、刺激を統合して処理する脳の特性である場合など、さまざまな理由が考えられます。

また、感覚が過敏すぎて刺激を処理しきれず、感覚鈍麻になるケースもあるといわれています。刺激に対応できず無反応になった結果、まるで刺激を感じていない=感覚鈍麻のように見えるのです。

ドンマちゃんは、平均的な人よりも閾値が大きいため感覚を感じにくい特性を持っていて、空腹・満腹の感覚がわからなかったり、暑さや寒さ、痛さなどを感じにくかったります。

こうした感覚特性のある人は、周りの感覚に合わせて自分も同じようにふるまうことがあります。環境や相手が変わるとうまく合わせられず、人間関係に苦手意識を感じることもあります。