相手のリアクションが分からない


本来、コミュニケーションというのは、自分が投げたメッセージに対して、「相手がどんな反応をしたのか」まで見ないと、うまくいっているのか分からないところがあります。
たとえば、自分の要望に対して、「わかった」と返事がきたとしても、本当に了承している「わかった」ではなく、いちいち文句を言うのも面倒だからという理由からの「わかった」であることも。

後者のように、相手がしぶしぶ「わかった」と言っているのに気づかないままでいると、どんどん関係に溝が生まれます。
たとえば、離れて暮らしている子供に対して、親が「ちゃんと野菜を食べなさい」など、あれやこれやとメッセージを送り、「わかった」と返事がくるから、聞き分けのいい子だと思っていたら、子供にとっては、ただただ“うざい親”になってしまっていることも……。

自分の「よかれ」が、本当に相手にとっても「よかれ」なのかは、実際に相手のリアクションを見ないと分からないことは多い。
でも、メールでは相手の表情は見えないし、送っているほうは、「相手を大切に思っているのだから、相手もわかってくれているはず」だと、勘違いしていることは少なくありません。
そこにも、「共通認識のズレ」があるのです。

 

相手のメンタル次第で、メールの意味合いが変わってくる


メールでは、自分にとっては悪気のない内容であっても、相手のメンタルの状態によっては、「嫌味」だととらわれてしまうことはあります。
たとえば、「今日は、花火を見に行ったんだ」とメッセージと共に花火の動画を送ったとします。本人は、素敵なものを相手と共有したい、喜ばせたいと思った上でのメッセージなのだとしても、送られた相手は、実は仕事や育児に追われ、自分の時間が全くなく、とてもじゃないけど、花火なんて見に行ける余裕はないという場合、「リア充自慢をして、自分にマウントをとっているのだ」なんて勘違いしてしまう場合もあり得るのです。

もし、実際に会っていたら、相手が仕事や子育てに疲れて果てている状態だと分かるので、「今、それを言うべきかどうか」という判断はできるものです。
でも、メールだと相手の状況が分からないので、「よかれ」と思うことで、相手を不愉快にしてしまうことは起こり得ます。
そうすると、予期せぬところで、相手に嫌われてしまうこともあるでしょう。

これ以外にも、メールは、“受け手次第”で意味合いが変わってしまうことは、よくあること。次のページで紹介します。