まず英語の「音」が耳に入ってくる環境にする
先ほどからのお話に出てくる「子供の言語習得のメカニズム」とはどのようなものなのでしょうか。
ちえみさん:言葉というのは「音」なんですね。まず「音」が耳に入ってくる環境にすると、自然と言語を身につけていくんです。日本語を身につけているお子さんなら言語習得能力もあるわけなので、 日本語と一緒に英語も耳に入る環境にしておけば、英語を他の言語に変換せずに、そのまま理解できるっていう能力を身につけることができるんです。
日本語の場合は周囲で使われているので、自分でも発語しながらだんだん発音できるようになっていき、日本語でコミュニケーションが取れるようになっていきます。
でも、英語の場合には、日本だと英語を日常的に使わない環境なので、なかなかアウトプットされない。子どもの頭の中に、理解できる英語だけが溜まっていくんですね。日本のような環境だとアウトプットは小学校、中学校以降、もしくは子ども自身がその気になった時でもいいんです。
先に英語が耳に入る状態=インプットをたくさんしておいて、脳に勝手に英語の回路を作っておく、そうすると、いざという時にアウトプットで使える英語のストックが貯まります。
一度英語が聞けるようになると、しばらく英語に触れてなくても、聞こえてきた英語はちゃんと分かる👂
— ちえみ@英語という贈り物 (@englishasagift) October 22, 2023
久しぶりに英語を話すと、自分で発した言葉に「こんな単語(表現)いつ覚えた?」と驚くことがある😆
そんな「いつの間にか無意識に貯めこまれてた」英語を増やしてあげたいよね🐵#おうち英語
まずはインプットをたくさんして、その後、アウトプットのことを考える。
ただ、アウトプットの段階では、子どもの自我が喜んでアウトプットしようっていう条件が整わないと、なかなかうまくいかないことも多いんですよ。
インプットで英語回路を作るっていうところまでは、英語のデータベースを築いていくだけなので全然、誰でも身につけられるんです。でも、アウトプットに結びつけていく時には、子どもの自我にやってもらわないといけないので、そこでお子さんごとの工夫が必要になってきます。
自我というのは個性があって気まぐれだったり好き嫌いがあったりするので、一週間海外旅行に連れて行ったら必ず英語を話すとも限らないですし、逆に機嫌がいい時なら家の中でポロっと英語を喋ったりすることもありますし。子どもの自我からくる英語のアウトプットに振り回されずに、小さい頃はインプットをしておくのが大事だということを、みなさんにはお伝えしています。
#おうち英語の会 Slackに寄せられたお悩みを見ていて思うこと🐵
— ちえみ@英語という贈り物 (@englishasagift) October 2, 2023
子どもは「あれが良い、これはイヤ」と言ったり「分からない」と言うけれど、そう言ってるのは自我で、実は、自我は英語を習得しない😱
「英語の習得」自体は無意識の領域で進むことで、習得した英語を運用するのが自我🧠…
あと「子どもをやる気にさせるのは難しい」という話が出たのですが、子どもを(親の思う通りに)やる気にさせるのは無理🙅♀️
— ちえみ@英語という贈り物 (@englishasagift) October 2, 2023
子ども(に限らず人間)は、自分のやりたいことなら勝手にやる気になるもの🙆♀️
(その時誰かに邪魔されれば、金輪際やる気をなくすことはあるかもしれないけど💧)
親は英語ができてもできなくてもどっちでもいい
――「親が英語が苦手なのは、むしろメリット多いです」というポストをされていましたが、英語ができない親の方が「おうち英語」に向いているのでしょうか。
「👩👧👦英語ができるママは語りかけとかできていいなー」
— ちえみ@英語という贈り物 (@englishasagift) September 12, 2023
いや、語りかけとかしなくても全然問題ないですから🙆♀️
(むしろ、語りかけをがんばり過ぎると後々子どもの自我に抵抗されてややこしいことになること多し😅)#おうち英語 やるにあたって、親が英語が苦手なのは、むしろメリット多いです😍
ちえみさん:親が英語ができるできないかは、実はそんなに関係ないんです。「おうち英語」というのは親が英語を教えるのではなく、子どもに勝手に英語を身につけてもらうものです。子どもの脳に勝手に働いてもらう環境を作ることなんですよ。親が英語ができようができまいが、素材さえ用意してちゃんと環境が作れればいい話なので。
ただ、さっきの自我の話でいうと、英語ができる親は自我が出ると、子どもの自我と衝突しがちなんです。
私もそうだったんですけれど、英語ができる親だとかけ流しに使う英語の素材を自分の好みで選んでしまいがちなんです。それが子どもの好みと違っていて、親の自我と子どもの自我がぶつかる状態になってしまったり。
あとはつい、子どもの英語の間違いが目についちゃうんですね。で、教え込もうとしたり、「まだこんなに話せないの?」と焦ってしまったりするんです。そうすると、子どもの自我のご機嫌を損ねてしまう可能性が高くなります。
なので、親が英語ができてもできなくてもどっちでもいいんですけれど、だいたい親が英語ができないという方が「わー、○○ちゃんすごい!」と喜ぶので、うまくいくことが多いのですが、 逆に「親の私が英語ができないから、この子の英語習得がうまくいかないんだわ」って思っていると、うまくいかなくなることもあるので⋯⋯直接にはあまり関係ないですね。親の英語力は。
#おうち英語 🐵
— ちえみ@英語という贈り物 (@englishasagift) September 19, 2023
ママが英語が得意で語りかけとかしているおうちは、子供のアウトプットも出ていてすごいな〜🥹
うちは私が語りかけできないから、子供に申し訳ない💧
なんて思う必要1ミリもないです🙅♀️
英語の習得に語りかけするかしないかは、どうでも良いこと🤷♀️…
英語ネイティブとか帰国子女とかでめちゃ堪能でもない限り、語りかけで親が言えることなんかたかが知れてるし、語りかけは、楽しんでやれるならやればいいし、やりたくなければやらなくても、本当にどっちでも良いです🐵…
— ちえみ@英語という贈り物 (@englishasagift) September 19, 2023
――最後に、「おうち英語」をやってみたいミモレ世代の親御さんに、こんなふうにしてみては? というアドバイスがありましたらお願いします。
ちえみさん:限られた時間や環境の中で、なるべく高い成果を出すやり方というのはあると思うので、本格的にやりたい方はそういった方法を学んでいただいてから始めるのがいいと思います。ですが、「そんな本格的なことは無理だわ」という方は、何にも期待せずに、おうちで英語の「音」だけでもちょっと流しておくのはどうでしょうか。それだけでも将来、お子さんの役に立つ可能性は高いですよ。
アウトプットが悪いんじゃなくて、インプットが入れただけ入る年齢なのに、アウトプットに目が行くのが「もったいない」だけ🐵
— ちえみ@英語という贈り物 (@englishasagift) May 17, 2023
アウトプットは年齢が高くなればなるほど得意になるけど、インプットが「ただかけ流すだけ」でできる年齢には限りがある😱…
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小さいお子さんの「おうち英語」で一番大事なのは、まずは「音」を聞くこと=インプットをたくさんすることで勝手に脳が英語の回路を作るという「子どもの言語習得のメカニズム」を正しく理解することや、「親の自我」が出ていることを自覚することが大事だというお話など、「おうち英語」を続けるためのポイントがたくさん詰まったインタビューでした。
「ちえみ@英語という贈り物」さんのX(旧Twitter)はこちら>>
次回の「SNSで見つけた『バズり人』さん」もお楽しみに!
構成・文/大槻由実子
編集/坂口彩
前回記事「ストレッチを続けるコツは「ながら」で「意識を分散させる」!「とぴー|からだを楽にするプロ」さん」>>
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