この人でなければ演じられなかったというほどの女優は誰か?
第一印象は、小悪魔的で妖艶。しかし知るほどに、怖いもの知らずで大胆不敵。でもさらに、狡猾で冷酷かと思うと、どこかピュアで弱さも見せる。で、最終的には、結構いいやつで愛情深い……というように、矛盾がありすぎてつかみどころがない女性。だからハマるのです。
ただそうなると、半分はジョセフィーヌを演じた女優の勝利とも言えるはず。ご存知でしたか? ヴァネッサ・カービーという女優。Netflixの「ザ・クラウン」で、若い頃のマーガレット王女を演じた人、と言えば覚えがあるはず。
エリザベス女王の妹として、影の存在でありながらその美貌と個性で絶大な人気を博した一方、離婚歴のある年の離れた軍人に恋をして一大スキャンダルを巻き起こし、理不尽にも結婚を認められずに、自暴自棄になるという王女の波乱の半生を見事に演じて、英国アカデミー賞を受賞しています。
その時からなんと粋な女優だろうと思っていたけれど、このジョセフィーヌ役こそ、この人でなければならなかったと思うほど、“悪妻・悪女にして、とてつもなくいい女”を時にセンシティブに、時に大胆に演じているのです。
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