10枚で150万円!驚きだらけの初展示会

2019年。ちょうど元号が平成から令和に変わるタイミングで、GAKUさんは自身初となる展示会を、東京の世田谷美術館で開催します。運よくキャンセルが出て会場を借りることができたり、開催期間がGAKUさんの誕生日である5月1日に重なったりと、その展示会では奇跡的な出来事が立て続けに起こりますが、一番の驚きは、ほぼ無名といってもいいGAKUさんの絵が5日間で10枚売れ、合計で150万円という高値をたたき出したことでした。

展示会での成功は、GAKUさんに大きな変化をもたらしたといいます。

「それまでは、走り回って叱られるだけの人生だった。ところがこの展示会で、初めて多くの人から自分が認められた。これはがっちゃんにとって大きな成功体験になり、大きな自信にもなった」

初めての展示会(18歳)

この頃から佐藤さんは、がっちゃんではなく「GAKU」と呼ぶようになり、GAKUさん自身も自分がアーティストであるという自覚を持つようになりました。

 


「それまでのがっちゃんは、自分の内面の世界を外に伝えることができなかった。だから、いつもフラストレーションを抱えていた。でも自己表現としての絵を描くことで、まわりの人からのフィードバックを得ることができるようになった。そのとき、がっちゃんの人生に対するスタンスが大きく変わったのだ」