高位メンバーの高齢化とスリム化問題

2023年5月6日、 チャールズ国王の戴冠式 公式記念写真。(左から)ケント公、グロスター公爵ご夫妻、ティモシー・ローレンス卿、アン王女、国王ご夫妻、ウィリアム皇太子、キャサリン妃、エディンバラ公爵夫人、アレクサンドラ王女、エディンバラ公爵。提供:Hugo Burnand/Royal Household 2023/Camera Press/アフロ

英国王室にとってもっとも重要なのは王室の存続と繁栄。そして国民のために支援をすることですが、その公務を行うための人員を最小限にして国民からの税金を節約しようとスリム化に熱心なのがチャールズ国王なんです。

 

その過程で次男ハリー王子とメーガン夫人が離脱をしたことは流石に想定外だったでしょうが、現在公務に従事する高位メンバーは、国王を除いて10名。そのうち、50歳以下は、なんとウィリアム皇太子とキャサリン妃のお二人のみなんです。50歳代も、エディンバラ公爵ご夫妻(エドワード王子&ソフィー妃)のみと、全体的にかなり高齢であることがわかります。しかも、そのうちの2名、国王とキャサリン妃が、当面公務ができないという異例の事態です。

王位継承者こそ、安泰の三世代が続いていますが、実際に公務をするメンバーが少人数でかつ高齢というのは、先行きが不安。しかも、少人数な分、一人一人の負担が大きくなります。
今既に、首を絞めているかのようにも見えなくない国王の戦略、王室のスリム化が今後どのような影響をもたらすのか、ハラハラしながら危惧している次第です。


ウィリアム皇太子とキャサリン妃への影響

正式に「カウンセラー・オブ・ステート」(国務参事官)の任命はなくとも、今後明らかなのは、ウィリアム皇太子が国王の代行をされる機会が増えるであろうということ。

キャサリン妃の手術&入院をうけ、公務を延期し子育てをされていた皇太子でしたが、ついに今週から公務復帰をされました。当初はキャサリン妃やお子様をまもることを優先にされてきた皇太子ですが、父の闘病も重なり、これまでのご自身の公務に加え、皇太子としての責務と公務が重くのしかかると予測されます。
若さゆえ、仕事量は大丈夫としても(チャールズ国王や故エリザベス二世と比べて)、これまで通りの家族第一というモットーが、このまま継続可能なのかが、危惧されるところ。それとも皇太子という立場を優先せざるを得なくなってしまうのか、恐らくこれが皇太子ご自身の最も葛藤されるところでしょう。

キャサリン妃にとっても、夫が国王の代行として公務が増えていくということは、体調が万全に戻られた後には、同様に公務量が増える可能性も。3人の子育てと公務の両立に加え、将来皇太子となる長男の進学問題も緊張がつきないなか、想定外の早いタイミングで、王妃にまた一歩近づく大きな節目がやってきたようです。

この療養も良きチャンスと捉え、お身体を回復させることはもちろん、覚悟をもって今後を考える機会となって、パワーチャージもされ、お元気に公の場に復帰されることを期待しています。


文/にしぐち瑞穂
 

 

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