みうら:「好き」っていうのは簡単だけれど、「大好き」の道は時間もかかるしねぇ。

田口:(うなづきながら)うん。

みうら:しかも大好きな状態をキープしておられるさかなクンは、やっぱ本物ですからね。世間では「大好き」を求める人の名称はオタクだもん。未だ変わった人っていう目で見られることも多いよね。

田口:周りから「まだ好きなの~」って言われるくらいじゃないと、人間として良い味が出せないよね。

みうら:そうそう、"また"に濁点が付かないとダメだよね。「大好き」の状態までくれば、周りの人のことなんて気にならなくなりますから。

――確かに、流行のものって「ちょっと好き」くらいの状態かもしれないですね。

みうら:自分がなにかを極めているとは全然思わないけれど、大好きなことに没頭していると、ほかのことを考える時間が無くなりますから。他と比較してしまうって、やっぱ暇なんですよ。

――みなさんのお話を伺っていると、本当に自然体でいらっしゃるなぁと感じます。でも、その自然体でいることが難しい現在、どうすれば良いでしょうか。

みうら:柔らかい生地の服を着た方がいいんじゃないでしょうか(笑)。

「本当に自分が好きなものを見つけて、それを大事にできればいいかなって思います」(峯田和伸さん)

田口峯田ははは(笑)。

みうら:肩が張らなくていいもんね。

峯田:僕みたいに曲を作って歌ったらスッキリしますよ(笑)。20年前、僕たち映画の初日の舞台挨拶で名古屋に行ったんです。今日みたいな感じで、トモロヲさん、僕、みうらさんの順で並んで座った。そうしたら上映中にみんな泣くんですよ。

みうら:泣きましたね。

峯田:そうやって泣けるってすごくいいなって思った。

みうら:きっと全米も泣きますよ、あの映画。

峯田田口ははは。

峯田:なかなか人前では泣けないですよね。でも、この3人は泣けた。それくらい人に心を許すっていうのは貴重なことですよね。