投資信託がセットで超高金利な「退職金専用投資信託セット型定期預金」

退職金専用プランには、金利が5.0~7.0%ほどもある超高金利商品「退職金専用投資信託セット型定期預金」もあります。これらは投資信託がセットになっていることがほとんどで、退職金の一部を投資信託として資産運用をすることが必須条件。運用管理費や販売手数料といった諸費用が発生しますが、プロの運用によってうまくいけば、資産を増やすことも可能です。

ただし、「購入する投資信託は定期預金と同額であること」が条件になっていたり、手数料が驚くほど高いことも多く、運用がうまく行かずに退職金が減ってしまうリスクもはらんでいます。

なお日本には、金融機関が万が一破綻した場合、預金保険制度で定める預金等のうち、元本1000万円とその利息までは保護されるペイオフという制度があります。投資信託は預金などに含まれないことから、ペイオフの対象にはなりません。逆に言うと、1000万円までは定期預金で運用し、それ以上の資金は投資信託で運用したいという方には向いているかもしれません。

 

各金融機関の退職金専用定期預金

各金融機関には、以下のような退職金専用定期預金が用意されています。

一般的に、都市銀行は投資信託もセットのもの、信用金庫は投資信託がないタイプ、信託銀行は両方のプランがある傾向があります。ちなみに、ゆうちょ銀行は退職金特別プランの用意はありません。

各銀行の商品を見て筆者が少しいいなと思ったのは、三井住友信託銀行の家族サービスプランです。条件はありますが、「退職金特別プラン利用者の家族も同じ内容の特別金利を利用できる」という点が魅力です。

ペイオフ対策のため銀行を分散したい、少しでもメリットのある商品に移行したいなど、余剰資産の活用ができそうなので、退職の時期や家族の資金の見直しもありかもしれません。

預け替えで何度も優遇金利を受ける方法も

かなりレアケースになりますが、「数カ月ごとに別の銀行の退職金専用定期に預け替えて、何度も優遇金利を受ける」という運用は可能なのでしょうか……?

答えはイエスです。

たとえば、退職後2年以内の申し込み制限がある場合、同じ銀行での預け替えがNGであるのなら、いっそのこと3カ月で解約して別の銀行のプランを使ってみる。これを期限内で繰り返せば、かなりの金利が見込めます。退職所得の源泉徴収票も一度しか使えないという制限はないようですが、解約手数料には注意が必要です。

退職金は、まとまったお金が入金されるため、銀行からいきなり「投資について説明させて欲しい」など、急に担当者を名乗る人から電話が来ることもあります。使う予定のない場合は、まずはひと息置くつもりで1年間、退職金専用定期預金を検討してみてはいかがでしょうか。


構成/渋澤和世
取材・文/井手朋子
イラスト/Sumi
編集/佐野倫子

 

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