『哀れなるものたち』

【国際女性デー】中絶問題、ハリウッドの変化...「世界で今、何が起こっているのか」を教えてくれる新作映画5作!_img0
『哀れなるものたち』 公開中 配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン ©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

自ら命を絶った妊婦にその胎児の脳を移植し、蘇らせた天才外科医バクスター。新たに誕生した女性ベラは、やがて「自らの目で世界を見たい」と冒険の旅に……。

 


生まれ育った博士の家しか知らないベラは、でも純粋培養の箱入り娘ではなく、破天荒なバクスターのもとで、自分の思うままに育った「少女」です。つまり彼女は、一般社会が女性に対して刷り込む意識無意識の「女性はこういうもの」を持っていないわけですが、それのみならず、性別や時代に無関係に、一般社会が植え付ける思い込みや先入観、恐れさえも持っていません。何にもとらわれず恐れず、瞬間瞬間を味わい楽しみ、後ろを振り向く暇もなく、好奇心のままに突き進みます。

【国際女性デー】中絶問題、ハリウッドの変化...「世界で今、何が起こっているのか」を教えてくれる新作映画5作!_img1
『哀れなるものたち』 公開中 配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン ©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

その突き抜けっぷりに「えええ~」と笑うやら驚くやらの場面もありますが、男による支配やセックスなど、女性を支配するすべてのものから解き放たれ、誰にも決して辱めることができないベラに、ラストには拍手喝采したくなること間違いなし。クラシックでありながら未来的で、美しいのにどこかグロテスクな世界観、美術、衣装、映像のすべてにうっとり。すべての場面が「こんなの見たことない!」と思える、必見の作品です。

作品情報)
『哀れなるものたち』
公開中
監督:ヨルゴス・ランティモス
原作:「哀れなるものたち」 アラスター・グレイ著(ハヤカワepi文庫)
脚本:トニー・マクナマラ
原題:POOR THINGS
2023年度作品 /イギリス映画 /白黒&カラー /ビスタサイズ /R18+
上映時間:2時間22分 字幕翻訳:松浦美奈
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.