解説書を読んだり、教則本とにらめっこするのもよいですが、やはり野球がうまくなりたければ、キャッチボールをたくさんこなした方がよいですし、ピアノならスケール練習でもやった方がよいでしょう。スポーツや習い事はすべてそうですが、とにかく数をこなした人には絶対に勝てません。

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投資も同じで多くの経験値を積むと、たいていのことが「あの時の感覚に近いな」といった感覚で処理できるようになり、株価が急騰したり暴落してもあわてることがなくなります。新NISAについて「いつから始めればよいですか」という質問をよくいただくのですが、これに対する回答は「いつでもよいですが、やるなら早い方がよいです」ということになります。早く始める分、慣れの部分も多くなり、ますます投資がうまくなっていくというイメージです。

 

投資が習い事と同じであることが分かれば、誰からアドバイスを受ければよいのかもおのずと決まってきます。

野球がうまくなりたいのに、野球のことは詳しいが野球をやったことがない人からアドバイスを受ける人はいないでしょう。たいていは元野球選手などから教えてもらうはずです。同じく、ピアノに関する知識はたくさんあるが、ピアノを弾いたことない人からレッスンを受ける人もまずいないはずです。

ところが、投資の世界には、上記のようなことが現実にあったりしますから要注意です。

新NISAがブームになったことで投資のアドバイスをしますという触れ込みをあちこちで目にするようになりましたし、金融機関でも顧客に積極的に投資情報の提供を行っています。しかし投資の専門家という肩書でメディアに出ている人の中には、自身ではほとんど投資経験がない人というのがザラにいます。投資はしたことがないけれども、投資のことは知識として詳しいという人が、堂々と間違ったアドバイスをしていたりしますから本当に要注意です。

またファイナンシャル・プランナー(FP)と呼ばれる方々も、顧客の側に立ってまじめにアドバイスをされている方もいますが、多くのFPさんが、実際には金融商品の販売代理人をしています。金融商品を販売した手数料で生計を立てていますから、事実上、金融機関の営業マンと考えた方よいでしょう。それ自体、悪いことではありませんが、商品を売りたいというインセンティブが先にあることは理解しておいた方がよいと思います。

前回記事「【新NISA】投資の“高リスク”って具体的にどこから?プロが教える「失敗する人はほぼ100%これを忘れてる」投資の基本原則」はこちら>>

 
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