クローゼットには服に対する考え方が映し出されるもの。この連載では、収納や断捨離から、mi-mollet世代の服との付き合い方を探っていきたいと思います。第3回はウェデイング&パーティーディレクターとしても活躍している黒沢祐子さん。コロナ禍で服に対する考え方も変わったという黒沢さんに、断捨離法をお聞きしました。

コロナ以前より「自分主体」で服を選べるようになった

「新型コロナの影響で、自分と向き合う時間が増えました。ファッションに関しても、自分は何が好きなのか、何が心地いいのかを、自分の視点で考えられるようになったと思います。今考えると、30代は流行のファッションや世の中の流れに踊らされていた部分もあったなと。その時代が悪いとはまったく思いませんが、年齢に合うもの、収入に合うものを自然と選べる今の方が、ずっと気持が楽になったと思います」(黒沢さん) 

 

【黒沢家のクローゼットのこだわりPOINT】


「大きなクローゼットがなく、それぞれの部屋に収納が点在しているマンションなので、約4畳半ほどの部屋をクローゼットルームとして使っています。大きな家具は置かずに、よく着る服はハンガーラックに掛け、いつでも見えるようにしています。ラックにはハイブランドからカジュアルブランドまで、トップス、ボトムス、ワンピースなど、カテゴリーごとに吊るしています。バッグはバッグ専用の棚を作り、そこにディスプレイしています」(黒沢さん)

 


【手放す服のルール】


●コーディネートが想像できなくなった服

手にとってパッとコーディネートが決まらない服は、自分の中の旬が終わったんだな、と手放すようにしています。買取サービスなども利用しますが、先日開催したフリマがすごく楽しくて。終わってみると100着くらい売れていたんです。少しでも社会貢献できれば、と売上の一部は認定NPO法人Dooooooooへ寄付として募金させていただきました。
フリマの良い点は想い出があるお洋服や物を、顔を見てお譲りしコーディネートをできること。前回はInstagramなどで告知し、私が懇意にしているBarで、1ターム8人、一日4回の入れ替わり制で行いました。お店をお借りしたので、入場料はドリンク1杯をオーダーいただき、お客さんみんなで乾杯しながら、ちょっとしたオフ会のようなフリマだったんですよ。そこで出会ったゲスト同士が仲良くなったり、そこでコミュニティができたりと、手放す服が人の人の繋がりを作ってくれるようで、とても楽しかったです。」(黒沢さん)

 

フリマはナチュールワインをお供に。ホームパーティーのような雰囲気
 

次に着てもらえる人の顔が見えるのもフリマの醍醐味。


●ヒールの高い靴

3、4年前からスニーカーを履くことがほぼ毎日となりました。その1番の理由は腰痛持ちでヒールで腰が辛くなったこと。身体を酷使する靴は手放しました。またスニーカーをドレスに合わせたりなど、カジュアル過ぎずに取り入れるファッションが好きになったこともありますね。今は健康のために歩いたり、電車で行くような場所でも自転車に乗ることが多くなりました。そう考えると、スニーカーが今のライフスタイルに一番ぴったりくるんです。またスニーカーはヒールのように、体型の誤魔化しが効きません。だから今はランニングやパーソナルトレーニングに通ったりと、自分が納得する身体作りに勤しんでいます」(黒沢さん)

黒のドレスに白スニーカーを合わせて、シック×カジュアルを楽しむ ワンピース/RANDEDOO(ランデブー)  スニーカー/adidas by Stella McCartney サングラス/セリーヌ バッグ/ハクイ


●流行を追うファストファッション

「環境に関しても意識するようになってから、ファストファッションはほとんど着なくなりましたね。ファストファッション自体を否定しているわけではないのですが、今の私には合わなくなったと思います」(黒沢さん)

 

【残す服のルール】


●流行ではない、自分が本当に必要としているもの

「自分が本当に好きなものが分かりだしたのが、30代後半。クリエイターの友だちも多く、展示会に行く機会も多かったのですが、最近は自分が本当にほしい服だけ買うようになりました。(手に持った)このワンピースは両方とも「RANDEDOO(ランデブー)」のもの。20代の友人がデザイナーなんですけれど、どちらも身体のシルエットを綺麗に魅せてくれるんです。白のワンピースの方はウエストがシャーリングされているので、体型カバーにもなるんですよね。若い子のブランドは手を出しづらかったのですが、彼女は本当にファッションが好きで、その上で作られたプロダクト。着てたらすごくよくて、食わず嫌いはよくないな、と思いました(笑)」(黒沢さん)

(写真左より)レースワンピ、白ワンピ/ともにランデブー


●3シーズン着れる服

「夏物、冬物、と決めずにオールシーズン着れる服を選ぶようにしています。もちろんニットやアウターは難しいですが、ワンピース、Tシャツなどは合わせる服や小物次第で季節感を出せますよね。ですので、3シーズンは着回せるアイテムを残すようにしています。着る時期を限定しないことによって、衣替えの頻度も減るし、小物でコーディネートの幅も広がります」(黒沢さん)

GUCCIのカーディガンはオールシーズンOKの主役アイテム


●エシカルを意識した服

「最近は、ファッション業界もエシカルやサスティナビリティをキーワードにしていますよね。今年購入したクラウディのTシャツはペットボトルと洋服のリサイクルを使った再生ポリエステルで作られているんです。Tシャツ1枚でも環境問題に関してポジティブな提案ができるのは、素晴らしいですよね。物を買うのは企業へのエール。自分が好きだという思いも大切ですが、出来るだけ企業理念に共感するところから、物を買いたいなと思っています。
またリアルレザーに関しての議論もよく話題に上がりますよね。もちろん製造過程で動物実験や多量の動物捕獲などあったりするのはNGですが、きちんとエシカルに作ったものはありなのでは?と思っています。おばあちゃん、お母様、娘さんなど3世代に継承されるのであれば、流行を一瞬取り入れるフェイクレザーより、よっぽどリアルレザーの方がエコですよね。エシカルファッションに関しては、良し悪しが隣り合わせなので、背景を知った上で、自分で考え手にすることが大切かと」(黒沢さん)

クラウディのTシャツはしっかりしているので、首元もたわみにも強い Tシャツ/クラウディ スカート/グッチ バッグ/クラウディ (バッグに入った)巾着/クラウディ


●デザイナーに惚れ込んだハイブランドの服

「アレキサンドロ・ミケーレがクリエイティブ・ディレクターとなってから、よくグッチを買うようになりました。どんなハイブランドであっても、普段着として楽しむのが私流。よく自転車で行動しているのですが、スカートやパンツが引っかかってしまい破れてしまった……ということもしばしば。でも日常を大切にしたいからこそ、好きな服は値段に関係なく着倒したいと思っています」

「チャイナ服のようなワンピースは、おばあちゃんになっても着たいという基準で買いました。中華料理を食べに行くときなど、シーンに合わせておしゃれも楽しんでいます」(黒沢さん)



【黒沢さんのこの夏のお気に入りコーデ】

インナー/キャバン セットアップ/keitamaruyama サンダル/Hykeとtoshinosuke takegahara バッグ/farrah Sloane


【黒沢流クローゼットの掟】

自分に必要な服を見極める「自分の軸」を大切に。
心に響くものしか買わない、持たない。流行は関係なく、10年後の自分も着られるものだけを残していきたいです。
 

取材・文/松田祐子
写真/保田悟史
構成/朏亜希子

 

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