クローゼットには服に対する考え方が映し出されるもの。この連載では、収納や断捨離から、mi-mollet世代の服との付き合い方を探っていきたいと思います。今回は一般社団法人MOTHER代表、また小学生の男児と双子の女児のママでもある小澤あきさん。250人以上のママインフルエンサーと共に企業のPRやチャリティイベントを行っているなど、バイタリティ溢れる活動をされています。前回はマンションにおける省スペース収納術を披露してくれた小澤さんに、物を増やさずにスッキリと暮らすコツを教えてもらいました。
「部屋が何平米」よりも大切なのは「私に必要なのは何平米」?
我が家は子どもが3人いますが、人が増えると、物も増えるだけではなく、情報も人付き合いも3倍に。自分のことを管理するだけでも大変なのに、それがプラス3人ともなると、完全にキャパオーバーです。ですので、自分の受容量の限度をきちんと認識して、その中に何を入れ、何を諦めるのかをよく考えるようにしています。
「クローゼットの広さが、自分が着こなせる量」と思えば、そこには厳選したお気に入りの服だけ入れたい。収納を宝箱のようにイメージして、一枚一枚服を並べることで、要不要をはっきりさせています」(小澤さん)
【小澤さん流・断捨離のルール】
●ハンガーの本数を一定に。掛けられなくなったら“手放し時”と考える
「収納家具やボックスを増やすと、当然ものも増えますよね。同じようにハンガーが増えるから服も増え、そのうちに溢れ出す。ハンガーの定数をだいたい決めることで、そこに掛けられない服は手放すようにしています。」(小澤さん)
●新しい服を購入したら、似たタイプの服を手放す
30歳半ばくらいから流行よりも自分の好みで服を選べるようになりました。ただ、自分の趣味で服を買うと、つい同じような色や形を買ってしまいがちですよね。ですので、何か新しい服を購入したら、似たような服の中で何か手放すものがないかな、と確認するようにしています。先日はLOEFFの新しいデニムを購入したので、ユニクロの似たようなタイプのデニムを手放しました。
●流行のバッグは購入ではなくレンタルで
「流行のバッグや、コーディネートのアクセントとなるカラフルなバッグは、購入ではなくレンタルサービスを利用するようにしています。現在、Laxus(ラクサス)というバッグレンタルのサブスクサービスを使用しているのですが、その時使いたいバッグを気兼ねなく使えるし、レンタルすることで所有する重荷を背負わずにすみます。好きで買ったバッグも、永遠に使い続けられるわけではないので、その時その時で、持つものを循環できるような仕組みはすごくいいなと思いました。手軽に流行を楽しめるサービスとして、満足度は高いですよ」(小澤さん)
●H&Mの”衣類回収プログラム”は買い物と同時に手放せる黄金サイクル
不要になった服はお友だちに譲るか、H&Mに持っていきます。H&Mの衣類回収プログラムで回収された衣類は、古着としてリユースされたり、繊維としてリサイクルされ、また過剰金はリサイクルのための活動に寄付されるシステムです。どのブランドの服でも受け取っていただけるので、お買い物と一緒に着なくなった服を持っていけば、新旧の交換が一度にできて効率的。子ども服を買いに行く時など、よく利用しています。
【小澤さん流・残す服のルール】
●カジュアルにもフォーマルにも使える白のシャツ
「大好きな白のトップスは、私のワードローブの中でも大切なアイテム。白は顔を明るく見せてくれますし、何よりも清潔感がありますよね。デニムと合わせてカジュアルにも着れますし、ビジネスシーンではノージャケットでも白シャツがあればきちんと感が出ます。今はアイロンをかけなくてもキレイに着ることができるシャツも多いんですよ。汚れた時も白色だと漂白が簡単です」(小澤さん)
●受け継げる本物のジュエリー
「本物のジュエリーは親から子どもへ受け継げるアイテムですよね。うちは双子の娘がいるので、いつか彼女たちに譲りたいな、と、少しずつジュエリーを集めています。先日購入したYONのピアスは、ラボグラウンダイヤモンドという、天然ダイヤモンドで造られたもの。ラボ(研究室)で造られたものなので、生産工程も環境に配慮されているし、採掘における強制労働問題などに考慮されたエシカルなもの。投資する価値があるなと感じました」(小澤さん)
●黒のレザーバッグ
「ハイブランドであってもそうではなくても、『黒のレザー』はやはりずっと使えるものなのだな、と改めて思います。黒、そしてレザーと、普遍的なものだけれど、今の自分にはすごくしっくりくるんです。メンテナンスをしながら、大切に使い続けたいと思います」(小澤さん)
●思い出の子ども服
「子どもが小さい頃に着ていた服って、なかなか捨てられないですよ。よく着ていた服はサイズアウトしてもなかなか手放せなくて。このベッドは跳ね上げ式ベッドになっていて、下が全部収納なんです。マンションだと収納も少なく、普段使わない服など置く場所はないですよね。でもこのタイプのベッドだと、ベッドの面積そのまま収納スペースとなるので、こちらに想い出のものを保管しています。いつの日か、孫に着てもらえたら嬉しいですね」(小澤さん)
「こちらのベッドはドリームベッドのもの。跳ね上げ式ベッドを多く出されているメーカーさんで、何と言っても収容量がすごいんです!」(小澤さん)
<小澤さんのこの秋冬のオススメコーデ>
【小澤流クローゼットの掟】
クローゼットは自分の器。広さを求めるより中身の充実を
定期的に持ち物のブラッシュアップし、暮らしのダウンサイジングを心掛ける。
撮影/芝崎テツジ
構成/朏亜希子
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小澤あき 一般社団法人MOTHER 代表
「ママのチカラでママのチカラになりたい」と2016年、ママ100人プロジェクトをスタートし、一般社団法人MOTHER設立。各種PR協力や自治体との協働、企業内での講演を行う。2020年4月には初の共著書となる『私たちは白シャツ、デニムで』(光文社)を出版。アパレルブランド等とコラボレーションして、売上の一部をドネーションする 【MOTHERチャレンジ™️】も展開中。