アメリカ全体では、感染流行がおさまる気配はない


最後に、簡単にアメリカ全体の状況をおさらいしておきましょう。アメリカ全体で見ると、残念ながら感染流行がおさまる気配は今のところまだ全くと言っていいほどありません。7月から8月をピークに一旦落ち着きを見せ始めたものの、今月に入り、また感染者数は増加傾向にあります。

これは、特定の州で感染が続いているというよりは、流行の起こっている州が時期によって移り変わっているような状況です。

現在急速に感染者が増えている州としては、ウィスコンシン、ノースダコタ、サウスダコタなどが挙げられ、比較的北部に位置する寒い州に多い印象があります。そのような州では、残念ながらCOVIDによる死亡者数も増加傾向です。

一方で、マサチューセッツやニューヨークなど、比較的最近まで落ち着いた状況を続けてきたものの、最近になって再び増加傾向を見せてきた州もあります。

人口10万人あたりで見てみると、この1週間で最も感染者数が多かったのは、ノースダコタ、サウスダコタ、モンタナ、ウィスコンシンの各州で、いずれも人口10万人あたり300人を超える割合で新たに感染者が見つかっています(参考1)。感染者の実数で見てみると、テキサス、カリフォルニアなどでは、今なお1週間の感染者数が2万人を超えています。

ニューヨークでは早い時期にコロナ感染が広がったことで、逆に対策が進んだということはあるかもしれません。有効な新型コロナウイルスのワクチンがいつ完成するのかなどについてはまだまだ未知数なところもありますが、世界一とも言われるクリスマスツリーとともに、皆で盛り上がって迎えるニューヨークの冬を、また楽しみたいものです。
 


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参考文献
1    Johns Hopkins Coronavirus Resource Center. https://coronavirus.jhu.edu/region (accessed Oct 11, 2020).
2    Yang W, Shaff J, Shaman J. COVID-19 Transmission Dynamics and Effectiveness of Public Health 2 Interventions in New York City during the 2020 Spring Pandemic Wave. DOI:10.1101/2020.09.08.20190710.
3    Governor Cuomo Announces Indoor Dining in New York City Allowed to Resume Beginning September 30 with 25 Percent Occupancy Limit | Governor Andrew M. Cuomo. https://www.governor.ny.gov/news/governor-cuomo-announces-indoor-dining-new-york-city-allowed-resume-beginning-september-30-25 (accessed Oct 11, 2020).
4    NYPD CompStat 2.0. https://compstat.nypdonline.org/2e5c3f4b-85c1-4635-83c6-22b27fe7c75c/view/90 (accessed Oct 11, 2020).