テクニックじゃない! 時間をかけて丁寧に、が大前提


一方で男性にとってセックスは“性欲処理”のためのもの、という考え方が一定数存在するのは分かっています。そのような性文化は、日本の性教育に問題があると感じています。男性がセックスの手本とするのはアダルトビデオですよね。私もアダルトビデオはよく観る方ですが、その多くはストーリーの中に愛が描かれていない気がしています。稀に描いた作品を観たとしても、そのような場面は早送りして、女優さんの裸や行為自体の映像を観ながらセルフタイムする。ビデオの内容で覚えていることといえば、プレイの内容や女優さんの裸だけ。それを手本として『女性とのセックス』だ、と刷り込まれている男性がセックスを“愛のコミュニケーション”だとは思えないのもうなずけるところです。

 

では、どんなセックスなら、女性は愛を感じるのでしょうか?

 

《愛のコミュニケーションとしての「本当に感じるセックス」とは?》
①丁寧で優しいセックス

自分を大切に扱ってくれるかどうか、それがパートナーに対しての愛のバロメーターになります。

②じっくりと時間をかけるセックス
じっくりと時間を使ったセックスは、自分がパートナーにとって大切な存在で、単なる性欲による行為でないと感じられます。

③意思表示があるセックス
愛撫だけでなく言葉で直接愛を伝えてもらうことで、パートナーとの結びつきを確認し合えるセックスとなり、快感も増していきます。

セックスにおける肉体的な最大の快楽は、オーガズムまで達することだと思います。そこに至るまでに必ず必要になっていくことは《愛を感じられる》かどうかです。

女性は、愛されていると感じれば、それが性的快感に変わっていきます。“私はこんなに愛されているんだ”と心が感じた時に、本当の快感を得ることができる。

女性は、愛を感じないセックスばかりしていると、だんだんセックスで快感が得られなくなっていきます。それは、セックスでオーガズムに達することはできない、と脳に記憶されてしまうから。セックスでイケないと悩んでいる女性たちは、ほとんどがこの状態です。

私は愛されている、セックスですごく感じる、愛するパートナーとのセックスでオーガズムに達すると、同時にこのことを脳が記憶し、快感で満たされる。さらに、パートナーのことを手放したくない、誰にも渡したくないという独占欲が生まれ始めます。

充実したセックスを積み重ねていくことで、お互いをもっと大事にしたいという気持ちが芽生え、性生活はもちろんのこと、何気ない日々もパートナーに対して慈しみの気持ちで接することができるのです。
 

著者プロフィール
牛山幸さん:
1985年、長野県松本市生まれ。2015年から恋愛コンサルタント、婚活アドバイザーとして活動を始め、たくさんの女性から話を聞く中で、パートナーとのセックスに対する不安、不満の解決は必須と考え、性の悩みに寄り添ったアドバイスを積極的に行う。2000人以上の女性のセックスライフを研究し、パートナーとのセックスの満足度が高い女性たちは幸福度も高いことが気づき、セックスに対する女性たちの意見を集めながら、一度は誰もが体験したいオーガズム“ナカイキセックス”までの工程を導き出した。現在、YouTubeチャンネル「さっChannel」を中心に、女性のリアルなセックスについての思いをデジタルメディアで発信中。 

 

『ナカイキしたい二人のためのロジカルセックス』
著者:牛山幸 講談社 1200円(税別)

婚活アドバイザーとして2000人以上の女性の悩みに寄り添った著者。多くのカップルが抱える性の悩みを解消すべく、幸福感で溢れるセックスとはなにか、そして女性がオーガズムを感じるために必要なことについて、その行程をロジカルに解説します。シンプルなイラストで描かれる具体的なセックス・レッスンも。性の健康を共有するパートナーと一緒に読みたくなる一冊です。


構成/金澤英恵

 

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