自分で自分を成長させるには「メタ認知能力」が不可欠

 

教育の本質的な目標は自らの力で自分を成長させられる術と、幸せな状態をつくり出せる術を学んでもらうことです。その両方の実現に不可欠な「状態」が心理的安全性であり、不可欠な「スキル」がメタ認知能力です。

メタとは「高次の」という意味ですから直訳すれば「(自分の)認知自体の認知」。簡単にいえば「自分を知ること」です。メタ認知能力が高い人ほど自分の特性や癖を正確に把握できるため、目標達成能力や課題解決能力が高いと言われています。メタ認知の明確な定義は研究者によってマチマチではありますが、私なりに定義するメタ認知とは「自己を俯瞰的に捉え、自己について学ぶ機能」のことです。

 

ポイントは2つあります。

ひとつはやはり自己の捉え方です。自分の内面、つまり自分の思考パターンや行動パターンをはじめとする自分の脳の特性や、自己変容の軌跡などに意識を向け、それらを俯瞰的に捉えることがメタ認知において絶対不可欠です。

しかし、自分を俯瞰視するだけではメタ認知の「スキル」としては物足りません。

それが2つ目のポイント。「自己について学ぶ」です。自己と向き合い、そこで得た情報を脳の中に記憶痕跡としてしっかりと書き込んでいくことが、メタ認知の本質的な意義であり役割ではないかと思うのです。(青砥瑞人さん)