双子から届いた写真とお手紙に涙腺崩壊!


一連のことがひと段落した頃、今朝の看護師さんが尋ねてきてくれました。入室は最低限ということになっているのにわざわざ防護服に着替えて。本当に有難い限りです。状況を報告すると「そうですか……お母さんも心配でたまらないでしょうけどあと2日、しっかり体を休めてくださいね。退院の時間を朝一番にできるように調整しておきますから」とおっしゃってくれました。本当に登場人物みんな良い人しかいないよ……。

 

そして保健所の方の約束通り、児童相談センターの方もお電話をくださりました。「さぞかしご心配ですよね」と前置きした上で「一般的にはこう過ごすのですが病院によっても違うので具体的なことは直接病院にお問い合わせされてもいいと思いますよ」とお話してくれました。

しばらくして夫から無事に入院したこと、双子とバイバイしたときにふたりは泣いていなかったことなどを聞き少し安堵しました。夫も熱は少し落ち着き光の速さで仕事を片付けているとのことでした。コロナにかかっても休まないこの猛烈サラリーマンよ……。

夕方、病院へ電話を入れてみました。代表番号に電話をし、子どもたちの様子はどうか、直接話させてもらうことは難しいのか問い合わせました。しかし結論としては個人情報の観点から患者さんのことをお電話でお伝えすることは一概に出来ない、とのことでした。ただ事情はわかったので、お母さんの電話番号を病棟の医師に伝えます。もしかしたら診察の合間にお電話いただけるかもしれません、とのことでした。

まだ空は明るいけれど近くのお寺の鐘が鳴り、今日が終わりに近づいていることを伝えてくれます。無機質な病室の中で唯一外の空気を感じることができるひとときです。双子は大丈夫だろうか、暗くなってきて怖がったりしていないだろうか。お母さんなのにコロナになんてかかって本当にごめん。

大切な電話口で次男が騒いだりしないよう、半裸で乳をやりながら真剣な顔で電話し続けた一日が終わろうとしていました。

そんな折、夫から「小児科病棟の看護師さんが来てくれてふたりは元気に仲良く遊んでると教えてくれたよ!」と連絡が入り、ああ泣いていなくて良かったと心の底から思いました。もう今日は寝るしかない。最後の力を振り絞り、次男のシャワーを済ませました。片手入浴にもだいぶ慣れてきたようでした。

翌朝、夫はまた高熱に苦しんでいました。少し仕事をセーブして静養してくれるといいのだけれど……。双子がちゃんと眠れたのか、元気にしているのか高熱の夫の尻を叩いて看護師さんに何度も問い合わせてもらったものの、なかなかお返事はありませんでした。

次男も午睡に入り、日が傾いてきた頃、ものすごい雷が鳴りました。大丈夫かな、怖がっていないかな……と双子のことを心配していると、夫から「双子の写真とお手紙が届いたよ!!!」とLINEが入りました。一緒に連れて行ったミッキーとミニーのぬいぐるみを抱っこしてにっこり笑った顔を見て思わず涙を浮かべます。手紙は看護師さんが代筆してくださったそうで、

パパへ
ここで言うの恥ずかしいな~(照)
パパ、早く元気になってね。
早くお散歩いこうね。
一緒に寝ようね。
パパがんばってね!!

涙腺崩壊! 優しい方達のところに置いていただいているようで良かった。お忙しいのに写真を撮ってプリントまでしてくださって。もう本当に本当に感謝に堪えません。

そして時同じくして私の携帯に小児科のお医者さんからお電話をいただきました。ふたりともコロナの症状が出ることもなく元気に仲良く過ごしていますとのことで一安心しました。

今夜でここで過ごすのも最後。明日の退院に向け、荷物をまとめます。売店でチョコレートとお煎餅を買ってもらったけれど、心情的に食欲も湧かず、また味もわからないのでほぼ手付かずの状態でした。でも明日からも自由に買い物には行けないので食料は貴重、全部持ち帰ります。

翌朝、ついにお勤めを終えシャバに降り立ちました。すっかり梅雨は明け、夏の日差しが眩しすぎてクラクラします。ひとまわり小さくなった体にひとまわり成長した赤子を括り付け、大きなボストンバッグを背負って大通りに出てタクシーを拾いました。たった1週間程度の入院だったけれどなんだか久しぶりの下界は眩しすぎて自分がまたここで生きていけるのか不安になるほどでした。
 

(次回につづく)
 

構成/露木桃子

 


前回記事「コロナ入院した3児の母を襲った「0歳次男の後追い」「嗅覚異常」「一家離散の危機」」>>