「こと」は削るか具体的に言い換える


「こと」も汎用性が高いゆえに、無意識に使うと「〜ことが」「〜ことで」「〜ことにより」とことだらけに……。なくても成立するなら削る、具体的な言葉にできるだけ言い換えるようにしましょう。

(例)
テレワークを推進することが、かえって長時間労働を強いていると〜

(修正案)
テレワークの推進が、かえって長時間労働を強いていると〜

このように「こと」は、「〜することが」「〜できることが」など、動詞とくっつけて一つの節を名詞化できてしまうんですね。この長い名詞の主語が文章を長く、複雑な構造にする要因です。

「こと」を単純に削ると文章がおかしくなってしまう場合は、具体的な言葉に置き換えてみます。

(例)
センタープレスが入っていることで、太ももがすっきり見えます。

(修正案)
センタープレスの効果で、太ももがすっきり見えます。
 
「という」と「こと」を削って文章のもたつきをとる【WEB文章術】_img2
 

とくに「そのこと」「このこと」など指示語と一緒になった「こと」は、具体的な言葉にしたほうが文意がくっきりします。

そのこと

その視点が、その工夫が、その結果が……など

何にでも使える便利な「こと」に逃げずに、「こと」が何を指しているか言葉を探してみましょう。
 

「ということ」もなるべく削る


「という」と「こと」が合わさって、さらに文章をもたつかせてしまうのが「ということ」ですね。これも文章を冗長にし、稚拙な印象を与える要因に。

(例)
この美顔器はお風呂でも使えるということで、ズボラな私にも〜

(修正案)
この美顔器はお風呂でも使えて、ズボラな私にも〜

口グセや言い回しのクセは、自分ではなかなか気づきにくいもの。書き上げた後、読み直した際に「という」「こと」「ということ」の3つを意識的に削る・言い換えるクセをつけると、文章のリズムがぐんとよくなると思います。

ということで、リライト(書き直し)のポイント解説はここまでです。次週からは、書きたいことはあるのに書き始められない、書くのは好きなはずなのに書き出せない「書き出しイップス」の抜け出し方について書きたいと思います。
 

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イラスト/shutterstock、川端里恵
この記事は2021年11月9日に配信したものです。
mi-molletで人気があったため再掲載しております。

 

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