副業・複業。

働き方が自由になったいまこそ、挑戦してみたいですよね。

でも、「二足のわらじ」で歩く最初の一歩って、ハードルが高いもの。そもそも副業とは、どこから見つけてくるのか、自分には何ができるのか、疑問もあります。

そこでパラキャリアを軌道に乗せた先輩にインタビュー。

「一歩を踏みだした瞬間」と、その新しい世界を、教えて二足のわらじさん!

撮影:松谷祐増(TFK)


「まずは一歩」の先で出会った理想の働き方【深井瑛子さん・最終回】


広告会社のオリンピック関連事業部署で活躍した深井さん。次の挑戦の準備として、実家の家業である繊維商社と協働してサスティナブルな衣料アイテムを販売するThe Grafted GINZAのオープンにも参画してきました。さらにボランティアで始めたパラスキー通訳業務が仕事に進化、2022年のワールドパラスノースポーツ世界大会、北京パラリンピック大会に帯同が決まっています。

ここまで、深井さんの「好きなものが見つからず、社会人失格だと苦しんだ時代」「どん底からの再生と転機」を伺いました。さて、最終回ではいよいよ、深井さんがパラキャリアに挑戦した経緯を伺います。

 


思いがけない北京パラリンピック帯同要請


2021年、オリンピック直後のことです。私は仕事とプライベートの区別がないくらい広告会社の仕事に夢中で取り組み、充実感でいっぱいでした。

そこに思いがけないお話が舞い込みます。ボランティアで通訳を手伝っていた日本障害者スキー連盟のパラスキーアルペンチームから、2022年、正式に通訳・広報として世界大会や北京パラリンピックに帯同してくれないかとオファーをいただいたのです。

予想もしない凄いお話に、頭は真っ白。これまでもボランティアでお手伝いをしてきましたが、仕事となれば話は変わってきます。私の英語力は、TOEICこそほぼ満点でしたが通訳の学校に通ったことがなく、プロフェッショナルとは言い難い。

趣味としてスノーボードが大好きだし、パラスキーの広報活動は仕事でも取り組んできましたが、世界大会とパラリンピックに通訳として帯同となると、あまりにも責任重大です。

そして何よりも、大きな問題がありました。私は、会社員なのです。