【同僚編】マウンティングの裏にある意外な本性

 

マウンティングする人たちは、自分に自信がなく、不安を抱えています。本人がそれに気づいているパターンもあれば、気づいていないこともありますが、自信のなさや不安を周囲に悟られたくないために、自慢話でプライドを保とうとしたり、人を見下して優越感を保とうとしているケースが大半です。

そんな人たちへの対処法として私が提案するのは、「好きなだけマウンティングさせる」という方法です。

もしもあなたが彼らに「ライバル」と認識されてしまったら、相手はなんとかして自分が上だとアピールしようとします。そこで真正面からぶつかると、相手はさらに過剰に反応してくるため、相手にすればするほどエネルギーを消耗してしまいます。

適当に相づちを打ちながら「お好きにどうぞ」くらいの感覚で聞き流し、あなたへの対抗心や興味が薄れるのを待ちましょう。最初はイライラして聞き流すのが難しいと感じられるかもしれませんが、それはむしろ当然のこと。

マウンティングする人たちは、あなたをいらだたせ、反応させるために挑発的なことを言っています。あなたが自分の言葉に反応するのを楽しんでいるのです。そんな言葉を聞き流すのは最初は苦痛が伴うと思いますが、マウンティングが始まったと思ったら、意識的に話を耳に入れないように心がけていきましょう。そして、もう1つおすすめなのは、「マウンティングが始まったら、相手を思いっきり褒める」ということです。

人はあからさまに褒められると警戒するものですが、彼らは大きな不安を抱えているため、皮肉に気づくラインが極端に低いのです。「○○さん、本当にすごいです! 一生かなわないです!」のように、普通の人なら「わざとらしい」と思うくらい大げさに褒めても、悦に入って聞いている場合が多いので、一種のゲームだと思ってやってみましょう。

承認欲求が満たされることで、逆に仕事を手伝ってくれるようになったり、役に立つアドバイスをくれる関係が築ける場合もありますよ。

 


著者プロフィール
井上智介(いのうえ・ともすけ)さん:

島根大学医学部を卒業後、現在は産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。産業医としては毎月30社以上を訪問し、精神科医としては外来でうつ病などの精神疾患の治療にあたっている。その一方で、多くの人に【おおざっぱに笑ってラフに生きてほしい】という思いを込めてブログやTwitterなどでも積極的に情報発信を行っている。著書には『ストレス社会で「考えなくていいこと」リスト』(KADOKAWA)や『職場の「しんどい」がスーッと消え去る大全』(大和出版)などがある。

『「あの人がいるだけで会社がしんどい……」がラクになる 職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』
著者:井上智介 日本能率協会マネジメントセンター 1650円(税込)

精神科医、産業医として約1万の悩みと向き合ってきた著者が、ニューノーマル時代の新たな仕事スタイルも考慮しながら、職場での人間関係をラクにするポイントをわかりやすく解説。苦手な人への対処法だけでなく、その人が「めんどくさい人」になってしまう原因にも言及。職場以外の人間関係にも応用できる知識が満載です。



構成/さくま健太


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