介護保険外サービスとは?


要介護者が生活を送る上で困らないように、必要最低限の支援を行ってくれるのが介護保険サービスです。これに対して、より豊かな生活を送るためのサービスを提供してくれるのが介護保険外サービスで、この両方を組み合わせることが理想とされています。介護保険外サービスには、民間の企業が提供するものもありますが、今回は市区町村が行う介護保険外サービスに絞って見ていきましょう。

市区町村が行う介護保険外サービスには、「横出しサービス」と「上乗せサービス」と呼ばれる2種類のサービスが存在します。

 

横出しサービスは、介護保険の対象ではないサービスを、市区町村の財源から負担して提供すること。食事の配食サービス、通院などの送迎、外出時の付き添い、紙おむつの支給・購入補助、寝具の丸洗い・乾燥、出張理美容など、生活を送る上で必要なサービスが多く含まれています。

一方、上乗せサービスは、介護保険の対象サービスを、給付限度額を超えて利用できる仕組みで、こちらも市区町村の財源によってまかなわれます。たとえば、介護保険では1万円が利用限度額のところ、市が3000円負担することで、限度額が13000円まで上がります。サービスの利用時間や回数を増やす、訪問サービスの時間を延長するなど、居宅サービスや福祉用具購入などで支給限度額を超えた場合がこれに該当します。

この介護保険外サービスは、すべての市区町が実施しているわけではありません。また、その内容も自治体ごとに異なるので、改めて「親の住んでいる市区町村名+高齢者+介護保険外サービス」で検索してみてはいかがでしょうか。

写真/Shutterstock
構成/渋澤和世
取材・文/井手朋子

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