4回目のワクチン、打つべき? どうする?


山田 一般の方は、まだちょっとわからないですね。理由としては、これまでイスラエルから発表されてきた研究結果がほとんど60歳以上を対象にしたものだということ。そして、その研究によると、COVID-19の発症予防に対する効果というのが、この4回目接種では30%、40%などの低い値になっているんです。ですので、若い方にまで4回目接種を広げられるかというと、現段階では疑問符がつくと思います。
ただ、60歳以上の高齢者に関しては、発症予防ではなく重症化・死亡を防ぐ効果が8割近く見られています。3回接種よりも4回接種で命を守る効果が高いということが見えてきていますから、重症化リスクの高い層は4回目接種を受けていただく意義があるだろうということです。
特にヨーロッパで今、BA.2の感染流行が起きていて、アメリカでも流行の予測がされています。命にリスクがある方に4回目を進める意義が高いという判断もあって、今回の推奨に繋がったのではないか、というふうに考えられます。

 

碓氷 なるほど。いわゆる一般の方に広がるかどうかはまだわからないということなんですね。

山田 ワクチンは有効性が明らかになり、安全性が確認されて初めて世に出てきますので、今はアナウンスを待っていただく段階です。

碓氷 ちなみに、先ほどお話に出たBA.2なんですけど、これって以前、「ステルスオミクロン」として、過去にこの番組でも取り上げたものですよね?

山田 そうですね。オミクロンのスパイクたんぱく質に8ヵ所程度変異が起こり、新しい、独自のものを持っている種類がこのBA.2になります。残念ながらBA.1よりもやや伝播性が高く、より多くの人に感染を広げると言われています。実際にBA.2が既に優位になっているヨーロッパ、デンマークやオーストリアでは感染者が急増、オミクロンの第1波よりも大きな感染流行を迎えることになりました。

碓氷 そうなんですね。ニューヨークでも、もうBA.2が増えているのですか?

山田 ニューヨークはまさに今BA.2が少しずつ増え、それに伴って感染者数が増加する兆候が見られています。ヨーロッパでのオミクロンの感染流行から大体2ヵ月ぐらいのギャップをおいてBA.2の流行が起こっていますので、ニューヨークや日本でも、間隔を置いて感染流行が起きても不思議ではないと思います。

碓氷 日本でもすでにBA.2の流行は進んでいるものなのでしょうか?

山田 そうですね。徐々に広がっている兆候があるということが、既に報じられているかと思います。