企業のSNSアカウント運用担当者のお悩み「フォロワーが増えない」「どんな投稿をすればいいかわからない」「他部署が無関心」……。SNSの運用は、投稿管理だけでなく、分析レポートやコメント対応、トレンドリサーチや各種SNSの仕様変更への対応など多岐にわたります。気にしはじめたら、24時間365日体制で休みなく、業務量もきりがありません。そして、業務の煩雑さのわりに、他の担当者から大変さが理解されづらいのもツライところ。

今回から数回にわたり、属人的になりすぎないSNS運用のコツと考え方についてご紹介したいと思います。

 
 


SNS担当者の“孤独な闘い”からまずは抜け出す


こちらの連載の「お悩み募集」に、以下のような企業アカウントのツイッター運用に関するご相談をいただきました。

「勤務先の公式ツイッターを担当しています。他の業務と平行しており、業務の合間に平均して1日3回ほど投稿しているのですが、インプレッション、フォロワーともに思うように伸びません。地元の潜在顧客との交流を増やすこと、来店動機につながるものにすることが目的です。企画する営業がこちらに丸投げなことにも困っていますが、話題、伝え方、見せ方など模索しています」

またこのようなご相談もいただきました。

「企業アカウントのファンになってもらえるよう、過去には業務とは全く関係のないプライベートの話題を投稿してみたり、リアルタイムで投稿が多い内容に便乗してみたり……試行錯誤していますがほぼ空振り状態です。ちなみに他の社員はSNSについて無関心、非協力的です。発信の仕方や内容の工夫についてアドバイスをいただけたら嬉しいです」

 

フォロワーをどう伸ばすか、どんな投稿すると良いか、内容の話をする前に、私はご相談者さんの「企画する営業が丸投げ」「他の社員はSNSについて無関心、非協力的」というところにすごく共感してしまいました。

私はミモレ編集部にくる前、宣伝部としていくつかの雑誌のSNS配信を担当していたことがあります。本誌の企画を考えて作るのは編集部、それをSNSに投稿するのは宣伝部と業務が分かれていたのですね。当時は、宣伝活動の中でも、SNS運用はその他の通常業務にプラスαの作業、一応やってみて“当たれば儲けもん”くらいに軽くみられていたところもあり、編集部は非協力的でした。(今はそんなことないです!)

他でバズってるものを研究して熱心に投稿してみたりすると、編集部の人から「かわばっちゃん、こういうの得意だもんね」とか、なんとなく「好きでやってる」みたいに見られがちだったんです。

でも今思えば、先輩たちからそう思われるのは当然で。SNS運用が非常に属人的で、外から見ると「なんか勝手にやってる」「何のために何をやってるのかよくわからない作業」になってしまっていたんですね。(そのわりにフォロワー伸びないねとか急に言われたりする……)。

そこで、私がまずやらなくてはと思ったのは、ネタもとである編集部の人ひとりひとりに「SNS担当者がいてありがたい」と思ってもらうことです。そうやって、SNS運用に興味をもってもらえたら「SNSで当たると嬉しい!」という感覚を一緒に共有できることを目指しました。

最初にやったのは下記の2つです。

(1)予定している企画に対してユーザー&競合調査をして報告する
(2)今後の企画の参考になりそうなリアクションをレポートする

それぞれを詳しく説明していきますね。